高山とはいえ、早咲きのイブキスミレは既に閉鎖花

を展開している時期です。一帯で見られる自生株の数はとても多くて、もう少し近い場所であったならば、花の時期にも訪ねてみたいと、いつも思うのですが、いつも思うだけで終わってしまいます(笑)。
近づいてよく観察すると、見慣れないものがありました。株元から伸びる花茎の先に果実が膨らんでいます。イブキスミレは「有茎種」ですが、開放花は茎元から伸びて、花期の最盛期に見る限りは「無茎種」に見えてしまうという特徴があるのです。ただ、その開放花から果実ができている様子は余りお目にかかれません。多くの場合、花後に展開した茎生葉の間から、ちょこんと現れた閉鎖花由来の果実の方が親しみがあります。この両方の姿を同時に観察することになり、このすみれが持つ不思議さが更に鮮明になりました。