近縁種間交雑種の同定については一筋縄ではいかない場合が多く、ある程度納得できる個体以外は、敢えて意地を張らずに「それっぽいと思います」と語ることが少なくありません。マルバタチツボスミレの場合も「どうかなぁ…」と悩む場合が多いのですが、この個体群は可能性が高い感じがします。ただ、すぐ横にいる個体については何とも言えません。
混在地では比較的によく見つかる交雑種です。きっと、出逢いは「花全体が丸くて、中心部が白いタチツボスミレ…、あれれ?」という疑問から始まることでしょう。一度、通り過ぎて、でも気になって葉の形を観察しなおしてみると、先端が丸いことに気が付く…、そんなパターンかも知れません。この自生地はどっちつかずの個体が多くて、長い時間をかけて戻し交雑が頻繁に行われていたのだろうと推察できます。その場合、マルバタチツボスミレと呼んでも、タチツボスミレと呼んでも、どちらも間違いではないと言えるのでしょうね。
でも、どうしても決定付けなくてはいけないなどと思うことはありません。(´ー`)