テリハタチツボスミレ (照葉立坪菫)
青森県むつ市 2008年5月9日
茨城県 2006年4月15日 植栽
新潟県村上市(旧朝日村) 2001年4月29日 葡萄山 初期のデジカメで撮影
フィルムカメラでも併せて撮影していた(再発見)!画質が少し良いのでデジタイズして追加
分類 |
タチツボスミレ類 |
学名 |
基本種 |
テリハタチツボスミレ Viola faurieana W. Becker Published in: Beih. Bot. Centralbl., Abt. 2, 34:239. (1916) |
変種 |
ツルタチツボスミレ Viola rhizomata (Nakai) Ohwi
* Viola faurieana var. rhizomata (Nakai) Ohwi
* Viola grypoceras A. Gray var. rhizomata (Nakai) Ohwi
テリハタチツボスミレ、タチツボスミレの変種説もあるが、独立種説を採用している。
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品種 |
シロバナテリハタチツボスミレ Viola faurieana f. albifaurieana E.Hama |
異名 |
≡ Viola ugoana Makino ex Muramatsu Published in: Fl. Akitaense :183, t.3, f.2 (1932) |
由来 |
faurieana : 人名由来 P. V. J. Faurie, 1847-1915 日本の植物を採集した仏宣教師へ献名
ugoana : 地名由来 羽後・太平山前岳
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外語一般名 |
【中】長梗紫花堇菜 |
茎の形態 |
有茎種 |
生育環境 |
多雪地帯。標高1,000m以下の湿った低い落葉樹林下などで見られる。 |
分布 |
国内 |
青森県から福井県の主に日本海側に分布する。標本DB上、岡山県真庭市(蒜山周辺)、取県西伯郡(大山周辺)に記録がある。 |
海外 |
中国、東アジア(タチツボスミレの誤認とする説がある)。 |
補足 |
『中国からの報告 [C.R. Wang、FRPS 51:31(1991)] は誤認された標本(タチツボスミレ)に基づく』ものであり、日本固有種とする説がある。 |
花の特徴 |
形状 |
中輪。側弁は無毛(稀に有毛)。 |
色 |
濁った淡い紫色から、ほぼ白色。花びらの中央部(基部)が白くなる傾向がある。 |
距 |
先端の細い円筒形。淡い紫色が多いが、白い個体も見られる。 |
花期 |
4月~5月上旬。 |
花柱 |
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芳香 |
微香がある。 |
補足 |
花茎は無毛。 |
葉の特徴 |
形状 |
全体は心形から卵形、基部は浅い心形または切形、先端は鈍頭か円形。 |
色 |
深緑色。葉の裏は紫色を帯びているが、徐々に緑色になっていく。 |
補足 |
肉厚で硬く、革質になる。名前が示す通りに表面に光沢がある。托葉はタチツボスミレより深く切れ込む。 |
種の特徴 |
形状 |
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色 |
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補足 |
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根の特徴 |
白い髭根。 |
絶滅危惧情報 |
岩手県:絶滅危惧Ⅱ類、福島県:絶滅危惧Ⅱ類 |
基準標本 |
(秋田市)太平山前岳 1931/5/7 村松七郎、東京都立大学牧野標本館所蔵 (MAK082399) |
染色体数 |
2n=20 |
参考情報 |
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その他 |
茎(地下茎、地上茎)を伸ばして新しい株をつくる性質を持つ。地下茎などは木質化していることがある。
花の時期には冬を越した葉(越冬葉)が目立つとのこと。各地で変異が見られる。
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ナガハシスミレが多く見られる山道沿いに、一株だけが見られました。かなりの人数で回りを探したのですが、この株以外には見つからないという辺りが不思議ですね。
2001/05/09
ツルタチツボスミレとテリハタチツボスミレの関係については異論があるようです。両方の自生地に向かうに当たって、一応、再度勉強をしておいたのですが、少し標高の高い場所に咲くというツルタチツボスミレは今回もパスしました。鳥取を巡ってみた時に、ツルタチツボスミレらしい個体には巡り会ったのですが、確信を持つに至らず、現在も図鑑で見るすみれです。
2008/04/22
やはりナガハシスミレの自生地に近い環境で、テリハタチツボスミレらしい個体に出逢ったのですが、葉や花弁の形状がうまくマッチしませんでした。意外なのですが、出逢いの少ないすみれですね。
2008/04/22
青森県むつ市 2008年5月9日
青森のテリハタチツボスミレです。形状についてはかなり丸いイメージでした。親指と人差し指で挟むと、その厚みと堅さが伝わってきます。一般的な葉の厚さをプラスティック製トランプに例えれば、テリハタチツボスミレの葉はカルタ(和紙製の百人一首、花札)の厚さです。その上、葉脈に沿ってデコボコしていることも良く分かりました。
2008/05/14
さて、葉の色の方に関して、表面は深緑色で間違いないのですが、裏面が紫色を帯びていたような気配は全くありません。薄めの緑色でした。紫色を帯びるというのは、咲き始め、ほんの初期段階だけのことかも知れません。
2008/05/14
東京都 2016年3月31日 植栽
研究機関やハーバリウムのでDB上、岡山県真庭市(蒜山周辺)、取県西伯郡(大山周辺)に記録がありますが、当面、一般情報として扱うこととします。尚、東京都八王子市のデータもありますが、これは採集日さえ明示されておらず、不確かな情報に思われましたので、誤認の可能性も踏まえ、取り扱い困難情報と扱うことに決めました。
2021/08/18