真っ白い花を咲かせるコスミレです。ではシロバナツクシコスミレなのかというと、あれは白っぽい花ですから、これはコスミレ(白花変種)と呼ぶのが最も妥当なのだろうと思います。蛇足ながら、シロコスミレという名前は別種に命名済であるという事情もありますね。前回のアオジクコスミレ(俗名)同様に葉は両面が緑色をしていて、花は丸弁ながら、よじれて先の方が尖って見える姿をしています。
白花変種は多くの植物で見られるもので、元々、遺伝子の中に備わっていながら眠っている特性が、関連するホルモンの活性化などの何らかのきっかけで発現するものと言われています。残念ながら、自然界でコスミレの白花変種を観察したことはありません。これが野原一面に花を咲かせていたら感激することでしょうね。
微妙に外れる北九州でも観察されていますが、葉の裏面が赤味を帯びており、東京産の個体とは違う印象です。