ナガバノアケボノスミレ (長葉の曙菫)
ナガバノアケボノスミレ ナガバノアケボノスミレ
山梨県南都留郡 2004年4月30日
ナガバノアケボノスミレ
山梨県南都留郡 2005年5月4日
ナガバノアケボノスミレ
東京都八王子市 2001年4月15日 高尾山
交雑親
ナガバノスミレサイシン
ナガバノスミレサイシン ( 2n=24 )
Viola bissetii Maxim.
山梨県南都留郡 2005年5月3日
アケボノスミレ
アケボノスミレ ( 2n=24 )
Viola rossi Hemsl.
東京都八王子市 2005年4月17日
学名
Viola x sp.
Viola bissetii Maxim. x V. rossi Hemsl. in: Wild Violets Jap. Col.: 149, t. 56 (1975)
異名
Viola rossi f. longifolia Hashimoto et Serizawa,form. nov.
茎の形態 無茎種間の交雑種
生育環境 両親の特性より、明るい乾燥気味の林下、林縁と想定(情報不足)。
分布 国内
海外
補足
花の特徴 形状 アケボノスミレの特徴であるソフトなイメージの大輪。
花全体が丸く大きく、厚めの花弁を持つ。側弁に疎らな白い毛がある個体と無毛の個体が見られる。
特徴的なピンク色(準白色から紅紫色まで幅がある)。
丸くて短め。
花期 通常(4~5月)。
花柱
芳香
補足 少し変異の幅がある。
葉の特徴 形状 ナガバノスミレサイシンの特徴を引き継いでおり、先が尖り、細長い濃緑の葉で見分けることができる。
花後に幅が出て、アケボノスミレに似てくるという。
濃緑色。
補足
根の特徴
絶滅危惧情報
基準標本 高尾山(東京都)、釜伏峠(埼玉県秩父 1964/4/21 by Y. Satake and E. Ito)。
参考情報
その他 寿命が長く、地下茎や匍匐茎、白く長い根により発苗増殖するので、一帯に群生する性質がある。
アケボノスミレは花が最も綺麗な時期に、まだ葉は展開していないのが普通なので、周辺に両方の交雑親が自生しており、花期に細長い葉がしっかり開いているアケボノスミレ風な個体がある場合、交雑種ではないかという目で確認してみるべきであろう。

 高尾山で何度か見ていましたが、花色の濃いナガバノスミレサイシンだと思っていました。交雑種であるため、特徴には幅があるとのことです。
 一般に交雑種は長くても数年で消えてしまうことが多いのですが、この交雑種は地下茎で増え続けて、長い期間、同じ場所で群落を形成する姿が見られる傾向があります。高尾山の場合も、同じ斜面で毎年見ることができると教えていただきました。
2001/04/30

 山梨県でも、いつも同じ場所で群落を形成している様子を見ることができます。山梨県南都留郡(2005年5月4日)という写真の中央部をご覧下さい。花の様子からアケボノスミレだと思われ、周辺で咲いているのはナガバノスミレサイシン、つまり、ナガバノアケボノスミレと、そのご両親が混在している様子です。
2007/09/06

 同じ場所で比較的長く群生する話をしていますが、当然、限界もあって、上記の2地点では既に群生は見られないようです。それにしても、1年で消えていくこともある自然交雑種の中では、しっかり記憶に残るような存在です。
2010/08/18


 1965年に芹沢俊介氏が高尾山で発見し、1971年に芹沢氏と橋本保氏により、『高尾山から奥武蔵にかけての低い山地には, アケボノスミレの葉が細長いー形がある』と、(東京都高尾山で1957年4月18日に採集された個体などについて)アケボノスミレの葉の長い品種として発表されたことがあります (Viola rossi f. longifolia)。その後、浜栄助氏が1975年に交雑種として発表することになります。
2020/09/03


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 (2001/04/30) Latest Update 2023/08/06 [300KB]

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