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書籍「スミレの観察と栽培」

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サイドストーリー (つぶやきの棚 こぼれ話) 2014/10/08
 実は偶然なのですが、「スミレの観察と栽培(初版1978年)」という書籍を入手しました。実際に入手したのは第4版(1993年)ですが、それにしても古い書籍なのに、古本ではなく、普通に書店で購入できたのです。
 都内で行われたすみれ展を拝見できるタイミングでお休みが取れましたので、久しぶりに電車で都内に出かけました。その帰りに東京駅に回り、八重洲ブックセンターに立ち寄ってみたのです。書店をウロウロするのは楽しいものですが、最近は目を惹く書籍と巡り逢うことが少なくなってしまって…。
 ところが、この書籍を棚で見かけて、あらら~と驚いてしまいました。大きな図書館や古本屋で見かけるのなら分かりますが、極く普通に販売棚に並んでいました。消費税導入以前に流通を始めた書籍ですから、消費税表記がシールで貼り付けてあります。
 その日は2014年3月31日。『あっ、明日から税率が8%になる!』
 もう買うしかありませんね!(笑)。そういう偶然の経緯で我が家にやって来た新本なのです。
書籍『スミレの観察と栽培』  井波一雄氏WHO!は、言わずと知れた「日本すみれ図譜」の著者ですね。その井波氏が図譜を発行の12年後に刊行したB6版の読みやすいHOWTO本です。
 グリーンブックスの表紙は、その多くが質素というか、アッサリとしていて、内容で勝負させていただきます!と語っているかのようです(笑)。
 発行元である北隆館のサイトを拝見すると『本シリーズは在庫がなくなったものから順にその発行方式をオンデマンド印刷による受注生産方式に変更いたします。』とあります。積極的な取り組みではないかと思います。因みに、本書のオンデマンド版はまだ出ていないようですから、流通在庫があるということなのでしょう。
 本書の内容ですが、小難しくはなく、かといって、簡単すぎることはなく…、という感じです。余りにも分かりきったことばかり書かれていては、つまらなく感じてしまいがちでしょう。スミレ研究の雄が一般向けに著した書籍であり、読み物としても面白くて、どちらかというと小冊子ながら、前半は個別に60種の特徴が自生属性別に記載されています。知識の幅が広いことを感じさせる説明がすみれ好きの心をくすぐりますね。
 書籍名にもある通り、後半はスミレの栽培に関する解説的な内容になっています。

 この一巻全体に、時折、反骨精神(?)が覗いて、それが絶妙なスパイスになっていると感じさせます。例えば、『自然の保護は法律と監視ではなく、市民の習慣である』というイギリス人の考え方を紹介しているのですが、所謂、図鑑という体裁である「日本すみれ図譜」では感じられなかった側面ですね。
 元来、書籍の表紙は著作物とすべきでしょうが、おそらく、そこまでナーバスな話にならないものと勝手に想定して、資料としてスキャンさせていただきました。クレームをいただくようであれば、引っ込めます。
サイドストーリー
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