艶やかな紅色の花びらが白い覆輪で縁取られ、とても品の良い花を咲かせています。ヒゴスミレとエイザンスミレの交雑種であるヒラツカスミレですね。写真は人工交配バージョンだろうと認識していますが、自然交雑バージョンが東京でも見られるそうです。両親は近縁なのに表現型が異なり、交配すれば稔性があるという独特な関係にあるのです。
ヒゴスミレは、早春には陽光を得やすい草原に多く自生します。一方、エイザンスミレは、粗い林縁などですが比較的暗い環境で見られます。この2種を素材に系統解析して比較した若手研究者の発表が2009年に行われたそうです。人工交配でも、ヒゴスミレの花は白が基調でエイザンスミレは一般に淡い紅色なのに、濃い紅色の花を求めて交配するという不思議な魅力を持つ素材のようですね。