オリヅルスミレ (折鶴菫)
オリヅルスミレ
展示会で花の写真を撮影できました

ストロンが伸長する様子が分かります

存外、花が多いようですね

花茎が赤く、白い小さな花が特徴です

ここでも、

大事に育てられているようです
オリヅルスミレ
神奈川県鎌倉市 2008年3月22日 植栽

オリヅルスミレ オリヅルスミレ
オリヅルスミレ 展示会の開催日程から

ある程度は予測していましたが、

この日は花を見ることはできませんでした

初見ながら、想像していたよりも

小さいスミレであることが分かりました

やはり、実際に見ることが大事ですね
オリヅルスミレ オリヅルスミレ
東京都新宿区 2001年6月10日 植栽
分類 ウラジロスミレ類
学名 基本種 オリヅルスミレ Viola stoloniflora Yokota et Higa Published in: Bot. Mag. (Tokyo) 101:2. (1988)
変種 テリハオリヅルスミレ Viola sp.
品種
異名
由来 stoloniflora : 長いストロン(匍匐枝または茎)HELP!の先に咲く花
外語一般名
茎の形態 有茎種(注:命名者の横田昌嗣氏、日本の野生植物[平凡社]の記載、並びに、広島市植物公園の世羅哲哉氏は「地上に明瞭な茎はない」としている)
生育環境 資料によると「渓流沿いの土手にコケに混じって生える」とされている。夏の暑さと乾燥には極めて弱い。
分布 国内 沖縄本島(野生絶滅)。
海外
補足 日本(沖縄)固有種。
花の特徴 形状 小輪。全ての花弁は細長く、特に唇弁が長いようだ。匍匐茎の途中や、新苗から花が咲く。
白色。側弁と唇弁に赤紫色の条が入る。花茎は赤みを帯びている。
短くて丸い白色。
花期 2~4月とされる(注)
花柱 平頭形?。
芳香 ない。
補足 萼の付属体が特異な形状をしている。花茎に微毛が見られる。
葉の特徴 形状
先端は鈍頭、基部は心形。全体は1cm程の円心形または卵形、基部は心形。
鋸歯HELP!は大きく、粗い波状で、微毛が密生する。
表面は濃緑色、裏面は淡緑色。葉柄は赤みを帯びている。
補足
中央の葉脈HELP!が基部から半分程でアカフ状態。葉の数は多く、根茎から束生する。
根出葉の形状はロゼットHELP!様で、葉腋から赤紫色の匍匐枝を伸ばす。托葉は細い。
種の特徴 形状 1mm前後。極めて小粒。
薄茶から濃茶色。
補足 種子は、大きくて濃茶色のもの程、発芽率が良い(広島市植物公園)。匍匐茎でも繁殖する。エライオソームが見られる(蟻散布植物)。
根の特徴 白い髭毛。
絶滅危惧情報
オリヅルスミレ:環境省【野生絶滅(EW)】 HELP!
テリハオリヅルスミレ:環境省【絶滅危惧IA類(CR)】
基準標本 辺野喜(べのき)川中流域産、植物学雑誌101巻(1988)
染色体数 2n=22
参考情報
琉球列島産のウラジロスミレ節3種の種子散布 中西弘樹氏(亜熱帯植物研究所)
オリズルスミレの栽培記録世羅徹哉氏(広島市植物公園)
その他 中学校教諭の比嘉清文氏により、1982年に沖縄本島北部で発見され、横田昌嗣助教授(琉球大学理学部教授、2020年現在)により1988年に発表された。ストロンHELP!を伸ばして、先に株をつける。
花期は2月から4月とされているが、温室等の人工環境での状況であり、生育地での花期は正確にわかっていない。
地上茎はほとんど伸長しない。

オリヅルスミレ
オリヅルスミレ オリヅルスミレ
神奈川県鎌倉市 2009年3月20日 植栽

 オリヅルスミレの新種発見の発表は、その時点で生育地が辺野喜(べのき)ダム建設によって水没していたという劇的な出来事であったことは有名です。
2001/06/10

 その後、第二の生育地が発見されたという情報があります。各地の植物園などで栽培されています。
2006/02/15

 レッドデータブックで、オリヅルスミレは植物・(維管束植物)編の冒頭に登場します。それは、オリヅルスミレのカテゴリーがEW、即ち「野生絶滅種(飼育・栽培下のみ存続している種)」であり、動物の場合のトキに相当するからでしょう。ちなみに、ニホンオオカミなどのように、わが国では既に絶滅したと考えられる種のカテゴリーをEX「絶滅」と呼ぶそうです。
Red Data Book Red Data Book

<以下、環境省の資料より抜粋引用しました>

 野生生物を人為的に絶滅させないためには絶滅のおそれのある種を的確に把握し、一般への理解を広める必要があります。そこで、環境省が絶滅のおそれのある野生生物の現状を把握するタメの調査を実施し、種の絶滅危険度をサイシンの情報・知見を基に評価し選定した動物版レッドデータブックを平成3年にとりまとめて公表しました。その後、動物版を見直しが行われ、植物版レッドデータブックが作成されました。
2001/06/10

 1994年、第二の生育地で発見されたオリヅルスミレの続編ですが、花の様子や毛の状況が異なる(詳細不明)ため、亜種と見られているようです。因みに、テリハオリヅルスミレとして環境省レッドデータブックに登場しており、こちらも絶滅危惧IA類(CR)と扱われています。
2008/02/05

 広島市植物公園の尾崎さん等による大量増殖に関する研究「絶滅危惧種オリヅルスミレの組織培養多芽体による大量増殖に関する研究」が発表されているそうです。読んでみたいところですね。各地の植物園が試行錯誤して、発芽適温は15℃以上等という情報を交換しながら、温室等で株を維持しているのでしょうね。さて、将来的にはどうするのでしょうか。
2009/12/23


 発見者である比嘉清文氏のお話を、なんとか入手した『月間おきなわ 緑と生活(1988年9月号)』で読むことができました。辺野喜川にダムが建設されると知り、何度か植物調査をしたのだそうです。その際、たった2株の見たことがないスミレを見つけた(1982年)とのこと。おそらく、これが自然の中で確認されたオリヅルスミレの全てということになるのでしょう。
2014/08/29

 ウラジロスミレ類について、一時的に「無茎種」に分類した後、結局、「有茎種」に戻した経緯があります。横田昌嗣博士(琉球大学理学部)が『月間おきなわ 緑と生活(前述)』の「新種オリヅルスミレと沖縄のスミレたち」で、『(オリヅルスミレは)地上にはっきりした茎は発達しません』と記載していたことがキッカケでした。悩みに悩んで、やはり、ニオイスミレに近い種と言われ、自生する印象もコスミレよりはタチツボスミレなどに近いと腹をくくって戻しました(笑)。
2015/01/17


(つぶやきの棚)徒然草

 (2001/06/10) Latest Update 2024/08/27 [350KB]

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