リュウキュウコスミレ [ノジスミレの変種] (琉球小菫) [別名:タイワンスミレ、タイワンコスミレ]
リュウキュウコスミレ リュウキュウコスミレ
リュウキュウコスミレ
沖縄県国頭郡 2005年12月8日
比較的濃いめの紫色
リュウキュウコスミレ リュウキュウコスミレ
リュウキュウコスミレ リュウキュウコスミレ
リュウキュウコスミレ リュウキュウコスミレ
白色が強いもの、ピンク色のもの
沖縄県国頭郡 2005年12月8日
分類 ミヤマスミレ類
学名 基本種 ノジスミレ Viola yedoensis Makino Published in: Bot. Mag. (Tokyo) 26(305): 148-151 (1912)
変種
リュウキュウコスミレ Viola yedoensis var. pseudo-japonica (Nakai) Hashimoto Published in: J. Jap. Bot.,51: 340 (1976)
シロバナリュウキュウコスミレ Viola yedoensis var. pseudo-japonica f. sonoharae E.Hama Published in: J. Jap. Bot.,51: 340 (1976)
品種
シロノジスミレ Viola yedoensis f. albescens (Takenouchi) Hiyama ex F.Maek. Published in: ESJ 3: 223 (1954)
オトコノジスミレ Viola yedoensis f. barbata Hiyama Published in: J. Jap. Bot.,26: 157 (1951)
異名
ノジスミレ * Viola philippica Cav. [Published in: Icon. Descr. Pl. Hisp. 6: 19 (1801)]
ノジスミレ * Viola alisoviana Kiss
ノジスミレ * Viola chinensis f. alboviolacea Skvortsov: * 下方に補足説明あり。
リュウキュウコスミレ Viola pseudo-japonica Nakai
ミドリリュウキュウコスミレ Viola pseudo-japonica f. viridescens Nakajima
由来 yedoensis : 江戸=東京の cf.: 地名に由来する、pseudo : 偽の(似ている)、sonoharae : 園原咲也氏(植物研究家 1885-1981)
外語一般名
【中】紫花地丁 zi hua di ding、光瓣菫菜菲律賓菫菜短毛菫菜
【韓】호제비꽃
【英】Tokyo Violet, Taiwan Violet, Neat Philippine Violet, Arrow-leaved Violet
茎の形態 無茎種
生育環境 明るい平地に多い。
分布 国内 九州、屋久島以南、沖縄・南西諸島に広く分布している。
海外 (未確認ながら分布が見込まれる)
補足
花の特徴 形状 中輪(1.2~2cm)。コスミレに似る。側弁は無毛(稀に有毛との情報あり)。
花色は白色から濃淡紫色まで変化に富んでいる。
円筒形。
花期 花期はとても長く、沖縄では、早ければ11月から咲き始め、4月位まで咲き続ける(一般的には12月中旬から開花する)。
花柱 カマキリの頭形。
芳香 香りがあるものが見られるとの報告がある。
補足 花茎は有毛。
葉の特徴 形状 基本的には厚めの三角状披針形HELP!。基部は切形または心臓形。
両面とも緑色。
補足 葉柄の翼HELP! がはっきりしている個体が多い(一方、目立たないとの意見もあるが、何らかの勘違いではないかと思われる)。
種の特徴 形状 倒卵形。へその方へ尖る。中粒。種枕が目立つ。
種子:濃褐色、種枕(エライオソーム):淡褐白色。光沢はない。
補足
根の特徴
絶滅危惧情報 鹿児島県:準絶滅危惧種
基準標本 ミドリリュウキュウコスミレ : 沖縄県国頭村、恩納村 1968.2 by A. Takushi(京大収蔵)
染色体数 2n=24
参考情報 琉球の植物データベース
その他 リュウキュウシロスミレと同様に花茎が長いものが多く見られた。
沖縄の方言(というか古い言葉)ではケッケレーグヮーと呼ぶとのこと。

 12月中旬に訪問しました。11月下旬から既に咲いているという情報をいただいていましたので、安心していたのですが、株はあっても花がなかなか見つかりませんでした。やっと花の咲く株を見つけてほっとしたものです。その位置から少し高い場所で、更にたくさんの花を見つけて、夢中でシャッターを押していると、花の時期のあの昂揚した気持ちが甦って来ました。
2005/12/12

 沖縄本島ではどこへ行っても普通に見られるすみれですが、例えば関東で、母種のノジスミレがアチコチで見られるかと言うと、決してそうではなく、全く比較にならない程の自生数です。逆に、自生しているはずのタチツボスミレには全く出逢うことができませんでした。
【注】沖縄ではタチツボスミレの個体数が少なく、ツヤスミレに近い外観を持つとのこと。
2007/02/27

 一般的に12月中旬から咲き始めます。2013年の「沖縄タイムス」に『リュウキュウコスミレ 早いお出まし』という歳時記的な記事が掲載されました。
 その記事によりますと、2013年、沖縄気象台は11月13日にリュウキュウコスミレの開花を観測したそうです。それは平年の開花日である12月16日より一ヶ月も早いとニュースになった訳です。同気象台の最近の記録では2012年には10月25日に開花が記録されており、2011年にも11月9日に観察されているとのことでした。1960年以降の開花記録で見る限り、早い記録が最近次々更新されているということになるようです。
 因みに「生物季節観測」という概念があって、各地の気象台が独自に選んだ植物や動物を、生物現象として毎年定点観測するのだそうです。沖縄気象台はリュウキュウコスミレをその一つに選んでいるという訳です。
2014/01/27


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 (2005/12/12) Latest Update 2023/10/16 [270KB]

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