ヤクシマスミレ (屋久島菫)
ヤクシマスミレ
ヤクシマスミレ ヤクシマスミレ
東京都 2011年4月9日 植栽
分類 ミヤマスミレ類
学名 基本種 Viola iwagawae Makino
変種
品種
異名
Viola tashiroi Makino subsp. iwagawae (Makino) K.Nakaj.
Viola boissieuana Makino var. iwagawae (Makino) Ohwi
由来 iwagawae : 人名に由来、牧野博士WHO!が採集した際の同行者・岩川角之丞氏に献じた。
外語一般名
茎の形態 無茎種
生育環境 沖縄島では山地の湿地、渓流部の岩や苔の上に群生する。屋久島、奄美大島などでは、山地の苔生した陰湿な林床で見られる。
分布 国内 南西諸島(屋久島、奄美大島、徳之島、沖縄島など)に分布。
海外
補足 沖縄島では北部の幾つかの限定された河川の渓流沿いに群生する。6河川で確認されたが、1河川ではダム建設により絶滅した。
花の特徴 形状 小輪(1~1.5cm程度)。全体に横長に見える。唇弁は小さい。
両面とも白い花であるか、内側が白くて外側が紫色。唇弁に紫条が入る。
小さくて丸い(楕円形)。
花期 1~5月(花期が極めて長い)。
花柱 カマキリの頭形に近い。
芳香 個体差がある。
補足 側弁の基部に白い短毛が見られる(無毛との情報あり)。花茎は長めで無毛。
葉の特徴 形状 極めて小さい三角形、心臓形、三角状披針形HELP!など。先端は鈍頭で、基部は心臓形。鋸歯は少ない。無毛(極く微小な毛が見られることがある)。
表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡緑色。一般に葉脈に沿って白い筋がある。
補足 一般に葉脈HELP!に沿って毛がある。葉柄は短く無毛。全体に渓流沿い植物的である。
種の特徴 形状 小粒。
種子:淡褐色または褐色。
補足 一果実辺り、10~20個。果実は淡緑色で斑点があり、無毛。
実生から開花まで2年掛かるとされる。
根の特徴 「日本のスミレ(浜栄助氏WHO!著)」によると、地下茎から、地中を浅く横走する細くて長い根を伸ばし、その所々から発苗して増殖するので群がって生育することが多い。
「日本すみれ図譜(井波一雄氏WHO!著)」によると、根は白色繊細でよく分岐して糸状。
絶滅危惧情報 鹿児島県:準絶滅危惧種、沖縄県:絶滅危惧Ⅱ類
基準標本 鹿児島県 屋久島 1909.9 by T. Makino
染色体数 2n=22 (Yoshioka, H. & R. TANAKA, 1981, Chromosomes of Viola. Shin Kaki)
参考情報 琉球の植物データベース
その他 学名はYList(千葉大学)を参考にして"Viola iwagawae"を用いている。ただし、そのYListの出典情報には"Viola iwagawai"しか記載されていない。この辺の扱い方には今ひとつ腑に落ちないところがある。

 昨年の展示会で撮影させていただいた写真を活用して新しいページを作りましたが、本来は「花」の写真を撮影してからと考えていました。ところが、なかなか、そのような機会にめぐり逢えず、葉の写真で先行することにしました。花弁の裏側に個体差があり、濃くて綺麗な紫色を帯びるものが観察されるそうです。人工交配に活用される所以ですね。
2012/09/11

 屋久島ネイチャーガイドをされている屋久島グリーントレック(代表)さんから、『表も裏も両面共に濃い紫色を呈した珍しい個体を観た事があります。(ご参考まで。)』とのお便りをいただきました。花びらの裏側に紫が滲むのは承知しておりましたが、表面も紫色を帯びる個体があるという情報です。交配をする方々が競って交配親に利用する種であり、花びらの表にも紫色が出る理由が理解できる情報でした。
「花の写真館」というタイトルを掲げながら、ヤクシマスミレの花を掲載できていない現状、図々しくも『綺麗な花々の写真を貸していただきたい』とお願いしたところ、『どうぞ御自由にお使い下さい!』とのご連絡を得まして、ありがたく、紹介させていただきました次第。==> 参考提供資料
2013/06/17


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 (2012/09/10) Latest Update 2022/07/05 [240KB]

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