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ニオイスミレ 'リディア・グローブス'

 さて、今回の1枚目は、ご覧の通り、ニオイスミレ独特の風貌をした果実です。茶褐色をした果実には微毛がびっしり生えていて、内側にツルンとした種子が見えています。
 そうした形態的特徴もありますが、もっと独特なことは、花後に花茎が下方に向かって行き、株元で長い間じっとしている性質です。そして、忘れた頃に少しだけ口を開けます。それが、この状態という訳ですね。この段階で目ざとく蟻が発見して、集団でせっせと運ぶ出していきます。蟻が種子の散布を手伝うので「蟻散布植物」と分類されました。
 2枚目が、ツルンとした大きめの種子で、蟻より先に発見して確保しました。尖った端に見えているゼリー状の物質がエライオソームと呼ばれる蟻の好物です。カロリーが高いそうで、この物質を生産するエネルギーを代償として、種子の移動距離を獲得するという知能的行動をとるのです。
 なんとか殖やしてみたいところですが、取り播きでも容易には発芽してくれないようですね。
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 発芽には冬の寒さを経験させる必要があるのかも知れません。じっくり来年まで待とうと思います。
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