ヤマツクシスミレ(別名:ナンバンスミレ) - Viola diffusa ssp. tenuis -
神奈川県 2008年3月23日 植栽
千葉県 2006年4月22日 植栽
2017年4月24日 千葉県 2017年4月19日 植栽
千葉県 2017年4月19日 植栽
分類 |
ツクシスミレ類 |
学名 |
基本種 |
ツクシスミレ Viola diffusa Gingius ex de Candolle Published in: A. P. de Candolle 1: 298 (1824) |
亜種 |
ヤマツクシスミレ Viola diffusa ssp. tenuis (Benth.) W. Becker Published in: Philipp. J. Sci. 19(6): 714-715. (1921) |
変種 |
ツクシスミレ(狭義)Viola diffusa var. glabella H. Boissier Bull. Herb. Boiss., ser. 2, 1(11): 1077. (1901) |
異名 |
Viola tenuis Bentham |
由来 |
diffusa : 拡がった、拡散した、tenuis : 細い、薄い。 |
外語一般名 |
【中】心叶蔓茎堇菜、【台】心叶茶匙黃、心葉茶匙黃 |
茎の形態 |
有茎種 |
生育環境 |
渓谷。 |
分布 |
国内 |
(繁殖力が強いことから逸出株が多く見られる) |
海外 |
東アジアから東南アジアの暖帯から亜熱帯にかけて分布。 |
補足 |
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花の特徴 |
形状 |
中輪から小輪。側弁は無毛との資料があるが、基本的には有毛。
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色 |
中央部が白く、核が淡黄を帯び、周囲がピンクに近い淡紫色。ツクシスミレより濃い色合いを持つ。 |
距 |
白色で短い。 |
花期 |
自生地では12月から春まで開花する。 |
花柱 |
カマキリの頭形。 |
芳香 |
(未確認) |
補足 |
赤い花茎に微毛が目立つ。唇弁に紫条が目立つ。花数は極めて多い。 |
葉の特徴 |
形状 |
根生葉、茎生葉ともに、さじ形の特徴的な形態。少し肉厚に見える。 |
色 |
両面とも緑色。 |
補足 |
表面には白い毛が目立つ。四方に向かってロゼット状に拡がる。果実ができる頃には立ち上がる。 |
種の特徴 |
形状 |
極く小粒。涙滴形(膨らんだ楕円形)。 |
色 |
茶色、黒褐色。 |
補足 |
一株にできる種子の数は極めて多い。 |
根の特徴 |
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絶滅危惧情報 |
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基準標本 |
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染色体数 |
2n=74 |
参考情報 |
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その他 |
暖かい地方のすみれだが、比較的耐寒性もあるとされる。自生地では毛の少ない個体も見られるという情報があった。 |
千葉県 2006年4月22日 植栽
千葉県 2006年4月28日 植栽
神奈川県 2007年3月21日 植栽
愛知県 2008年4月5日 植栽 ナンバンスミレとして展示されていたもの、かなり雰囲気が異なっている
千葉県 2010年2月23日 植栽
「ナンバンスミレ」とも呼ばれています。日本にも自生するツクシスミレに似ていることから、「ヤマツクシスミレ」という和名が付いたとされます。
2006/04/30
台湾ではポピュラーなすみれらしく、湿気の多い場所ではよく見られるとのこと。稀に毛の少ないものもあるらしいですね。因みに、中文(中国語)では「心叶蔓茎堇菜」と記載します。
2007/03/23
学名について混乱があるのかも知れません。ある大学系サイトではヤマツクシスミレをViola tenuis Champ. ex Benth.と表示した上で、別項目としてナンバンスミレをViola pricei W. Beckerと表示しています。これでは別名の関係ではなくて、この二つは別種のすみれという意味になってしまいます。参考まで、ツクシスミレについてはViola diffusa Ging.と表示しています。
2008/07/20
なかなか情報が見つからなかった染色体数ですが、2n=74と判明しました。一方、ツクシスミレは2n=26です。本当に良く似ていますが、全く別種ではないでしょうか。学名上、ツクシスミレが母種となっていますが、いったい、どういう関係なのでしょうか。疑問だらけになってきました。
2008/07/20
千葉県 2010年3月31日 植栽
花後に小さな朔果が膨らみました。アップで撮影してみますと、葉にも萼にも長くて白い毛が密生しているのが分かります。朔果の形状は極めて「普通」です。ただ、写真では判然としませんが、とても小さいものです。濃い緑色で膨らみましたが、この後に黄土色っぽくなって炸裂しました。
2010/04/12
この写真に写り込んだ果実の種子を取り蒔きしましたら、早速芽が出て大きく伸び、実は7月中旬に閉鎖花由来の果実が膨らんで次世代の種子ができました。他にも、勝手に飛んだらしい種子から芽が出て、あっという間に増殖しています。先程の種子を取り蒔きしたら、また世代を重ねそうですので、敢えて休眠していただくことにしました。
2010/07/30