ハリマスミレ (播磨菫)
神奈川県 2008年3月23日 植栽
長崎県諫早市 2023年4月19日 alt.=740m (花色の青みが強い型)
新潟県魚沼市 2024年5月17日 alt.=500m (花色の印象では三種類あった)
神奈川県 2006年3月24日 植栽
神奈川県 2008年3月23日 植栽
神奈川県 2010年3月19日 植栽
- 神奈川県 2011年3月21日 植栽
- 神奈川県 2012年3月22日 植栽
熊本県(小国) 2006年4月20日 (紅色系の花でした)
スミレとアリアケスミレは、外見的にはとても似ていると思います、この交雑種を判別するのは困難な場合が多いのではないでしょうか。熊本の個体群は、流通しているアリアケスミレに近い花を持ったハリマスミレとは少し異なるように思います。どちらかと言えばスミレの方に似ており、紫条は多く見えますが、それよりも花心から外側へのグラデーションが目立ちます。
現地にはスミレとアリアケスミレがほぼ混在していました。交雑親欄の写真は現地の個体です。全体のイメージから、最初は、アナマスミレのいわゆる「パンダ咲き」に似ているなぁと思いました。そうでなければ、スミレの準白色タイプかとも思いましたが、花色および紫条の様子、葉の形状がアリアケスミレであることから、交雑種であり、組み合わせから導き出せばハリマスミレということになると判断しました。
スミレの準白花 |
アナマスミレ(俗に言う「パンダ咲き」) |
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熊本(南阿蘇)で撮影しました |
濃紫の花が普通です |
2006/04/24
組み合わせ上、アリアケスミレが兄弟分のリュウキュウシロスミレに置き換わるとイチキスミレと呼ばれることになります。こうした雑種の名前というものは「組み合わせ名」ということになるのでしょう。
因みに『すみれを楽しむ(田淵誠也氏著)』によると、イチキスミレについて「1975年に鈴木進氏
が交配して育成した当初はアツバハリマスミレと呼ばれた」とあります。混乱というものでしょうか。
2010/12/21
千葉県 2010年3月31日 植栽 (俗称)ベニバナハリマスミレ
今年、園芸コーナーで「ベニバナハリマスミレ」として購入した美しい逸品です。紅の強いスミレを片親としているのでしょう。唸りたくなる色合いですね。花の形状や毛の様子などは、展示会で拝見したものと同じですが、後方から見た距の様子がちょっとだけ違うようです。所謂、「左右から張り合わせたような筋」が見えています。実は、熊本で観察できた個体をクローズアップしてみましたら、似たような筋が見えました。入ったり入らなかったりということのようです。
ところで、これは今でも出窓に置いてあるのですが、結実するのか、期待していたのですが、残念ながら、果実はシイナばかりのようです。稔性の点でも、稔ったり稔らなかったりするのでしょうか。興味津々ですが、園芸種については稔性がない方が経済的には都合が良いとのかなぁと訝ってしまいます。
2010/04/09
千葉県 2010年5月3日 植栽 (俗称)ベニバナハリマスミレ
前述のベニバナハリマスミレですが、「果実はシイナばかり」の時期を過ぎたら、ご覧の通りです。稔性があるというだけでなく、種子の数や大きさも正常ですね。少し目を離した時期があり、果実が開放花由来か閉鎖花
由来かを特定できません。ただ、現在2桁の果実がありますが、初期にシイナになった分を除外すると、開放花の数より多く稔っているようです。少なくても、閉鎖花由来の果実は稔性があるとみて良さそうです。
さて、この種子ですが、発芽したらベニバナハリマスミレが正常に育つのでしょうか。そうだとしたら、交雑種というより、新しい種が増えたようなものですね。やはり、これは育ててみたいところですが、こうして庭の鉢が増えていくのです。栽培は嫌いではありませんが、上手ではありません。
2010/04/09
稔性を回復するという報告が多いのですが、その子孫たちは、どちらかの親に近い姿になっていくとのことです。
2012/08/06
神奈川県 2012年3月22日 植栽 (俗称)アツバハリマスミレ
スミレの変種であるアツバスミレとの組み合わせです。自然交雑する可能性もあることでしょうが、おそらく、人為的に交配したものだと思われます。この展示会では園芸流通している系統が主体と見られるからでもあります。紅色の強いアツバスミレが交配に用いられたのか、花はベニバナハリマスミレとほぼ同じ色合いですね。
2010/04/09