自生地に到着した日の夕方までと翌日の午前中、できるだけ歩き回ってみました。自生環境の違いから、10種程度のすみれたちが棲み分けている様子が分かります。ヒゴスミレは、その内、明るい日差しを真上から受けているチームの一員ですね。
初めて訪れた自生地で、次々に現れるヒゴスミレたちは変化に富んでいました。葉の姿こそ、ほぼ同じに見えますが、花冠の形、萼や花茎の色合いなどに幾つかのパターンがあるのです。花冠が丸く大きい個体は、群馬や山梨などで観察したヒラツカスミレを彷彿とさせるものがありました。一方、九州では薄紅色の花も少なくありません。種内変異なのでしょうが、この狭い範囲では不思議に感じたものです。