シレトコスミレ (知床菫)
シレトコスミレ
植栽品を撮影させていただいた。栽培は難しい種と言われる。
東京都 2011年4月9日 植栽

シレトコスミレ シレトコスミレ
てばまるさんから、自生地の写真を提供していただきました(参考提供資料と同じものです)。m(_ _)m 多謝!
北海道 2012年7月7日  写真を ! 
分類 シレトコスミレ類(節) 本種1種からなる単型節と位置付けられる (出典:園芸植物大事典3)
学名 基本種 Viola kitamiana Nakai Published in: B. M. T. 42:564. (1928)
変種
品種
異名
Viola bezdelevae V.N.Verosch. (2003 ?)(択捉島に自生する個体に命名された学名) Published in: Byulleten' Moskovskogo Obshchestva Ispytatelei Prirody. Otdel Biologicheskii 92(1): 134 (1987)
Viola crassa Makino var. kitamiana (Nakai) F.Maek. et Toyok. (1957)
由来 kitamiana : 北見地方の
外語一般名
茎の形態 有茎種(茎が礫に埋もれ、無茎種のように見える)
生育環境 森林限界を超える高い火山性砂礫風衝地(崩壊地、砂礫地)の岩陰で見られる。
分布 国内 北海道東部の知床山系(天然記念物)、択捉島に、限定的かつ隔離的に分布する。
海外
補足 知床固有種と表現されている。いがりまさし氏は択捉島産の Viola bezdelevae をシレトコスミレと同種としている。
花の特徴 形状 小から中輪。側弁は有毛(微毛)。茎上部に腋生する。萼片はシンプルな狭披針形HELP!。付属体は極小。花茎に小さな苞がある。
白色で、中央部は黄色。唇弁に紫色の網目模様が見られる。
極く短くて丸い。褐色。
花期 7~8月。
花柱 棒状(筒状)。
芳香 あり。
補足 実際に見ると、写真で見るイメージより小さく感じるとの感想が多い。
葉の特徴 形状 厚く丸みのある腎円形または扁三角形。先端は短く尖り、基部は深い心形。
表面は光沢のある緑色。裏面は淡い緑色。
補足 鋸歯HELP!は低く粗い。節が密接し、て托葉が多く見られる。托葉は広卵形で切れ込まない(全縁)。
種の特徴 形状 卵状もしくは楕円形で長さは7mm程度。
一般に赤黒色。
補足 主な花粉媒介はハエ類。
根の特徴 太くて長い根が多数見られる。(出典:N003)
絶滅危惧情報 北海道【絶滅危急種(Vu)】 HELP!、北海道:絶滅危惧Ⅱ類
基準標本
Viola kitamiana : 知床半島硫黄山 by A. Gubler on July 20, 1928 (北海道大学大学院理学研究院植物標本庫: SAP)
Viola bezdelevae : Kuril Is.
染色体数 2n=12 [前川文夫、小野幹雄 B. M. T. 44(9): 286-286(1969)]
参考情報
その他
年を経るとともによく分岐する傾向がみられる(小林純子、竹内亮WHO!1969)。根茎はよく伸びて多く分枝する。
シレトコスミレ
世界遺産シリーズ第3集「知床」(2007/07/06発行)

写真家・木原浩氏撮影

* (総務省|郵政事業サイトより)
自生地は硫黄山、知円別岳、東岳、遠音別岳および上記の択捉島とされる。従前、羅臼岳も産地とされていたが、近年は自生が確認されていない(通常、自生地情報は伏せるが、多くの学術情報を含めてリリースされており、例外とした)。原始的な種類であると言われる。
 本格的な調査は、比較的近年に実施されたばかりです(2006-北大、1985-吉村・新庄)。2006年の調査では、知床連山では南岳(稜線)、知円別岳(分岐)、東岳(南西部)、硫黄山(南東部と第一火口)ならびに遠音別の個体群が対象になりました。「自然状態で良好な種子生産が行われていることが分かった」と報告されています。
 同調査で、小型のハエ類の訪花が観察され、花の内部にも潜り込んでいることから、「有力な花粉媒介昆虫であると確認できた」と説明しています。
2010/06/08

 2年前に現場情報を得ようと知床を訪ねてきました。愕然としたのは、シレトコスミレの自生地に最も短時間で到達できるルートが崩落に寄って通行止めになったままだという情報です。もう数年を経ており、目処が立っていないと分かりました。羅臼方面から一泊で縦走するだけの体力も経験もありません。これは・・・。ほぼ、あきらめモードになっていました。
 ふとしたキッカケで、このルートが制限付きながら歩くことができるようになったとの情報を得ました。落石防止工事が5年掛かって終了して、1年前から通行可能となったのですが、落石の危険があるため、道路法に基づいて引き続き通行止めが続いている状況は同じです。ただ、要望が大きかったため、特例として事前申請を行うこと前提でリリースされました。リリースされた期間はシレトコスミレの開花時期に一致しています。可能性が出てきました。標高差1,300m、往復9時間のコースを歩き通す体力と根性があればの話です。(-_-)ゞ゛ウーム
2012/09/19


シレトコスミレ シレトコスミレ
こちらも、植栽品を撮影させていただいたもの。
山梨県 2021年3月29日 植栽

 (2010/01/03) Latest Update 2023/07/14 [220KB]

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