ヒノクマスミレ ( 日の隈菫 -*- )
ヒノクマスミレ
ヒノクマスミレ ヒノクマスミレ
ヒノクマスミレ ヒノクマスミレ
東京都 2011年3月27日
ヒノクマスミレ
東京都 2012年4月7日 植栽
交雑親
アカネスミレ
アカネスミレ [写真:オカスミレ] ( 2n=24 )
Viola phalacrocarpa Maxim.
f. glaberrima (W. Becker) F.Maek.
コスミレ
コスミレ [写真:シロバナツクシコスミレ] ( 2n=48 )
Viola japonica Langsdorff ex Gingins
f. albida (Takenouchi) F.Maek.
学名
Viola x kuranarii Baba
茎の形態 無茎種間の交雑種
生育環境 両親ともに明るい山地の斜面で見られることが多い。
分布 国内
海外
補足
花の特徴 形状 中輪。側弁は無毛または有毛。
淡紫色、時に薄紅色が見られる。
白から淡紫色の円筒形。
花期 普通(関東では3月から4月初旬)。
花柱
芳香
補足
葉の特徴 形状 卵状披針形HELP!から長披針形。無毛。
表面は渋い緑色、裏面はアカネスミレ由来の赤紫色を帯びる。
補足 鋸歯が少し目立つ。
根の特徴
絶滅危惧情報
基準標本
参考情報
その他 東京都で見られた個体は両親ともに個性派なので、特に葉の裏面が緑色で赤みを帯びていない。日の隈山(佐賀県神埼市、標高158m)で見い出された。

 定期的にシロバナツクシコスミレを観察に出掛ける山地の斜面で、近くにオカスミレやエイザンスミレが咲く場所ですが、交雑種のことを失念していました。非常に大株ながら、花は多くない状態です。花も葉も、ほぼコスミレに近い姿ですが、すぐ横にシロバナツクシコスミレの大株があり、簡単に比較できる状態だった訳です。シロバナツクシコスミレを凌駕する大株で、大量の葉を付けていました。できれば、追って稔性を確認するつもりでしたが、実現していません。しかしながら、確かめるまでもなく、みごとな雑種強勢を見せつけていました。
2011/09/10

 オカスミレを片親とするヒノクマスミレと思われる個体を見せていただきました(参考提供資料からご覧いただけます)。もう一方の親は一般的なコスミレのようです。オカスミレが個性派であるため、やはり、葉の裏面が赤みを帯びていないものです。側弁の基部にはオカスミレ由来の立派な白い毛が見られます。両親のDNAを引き継ぎながら、いろいろな発現型が見られるということでしょう。
2013/04/05


 ヒノクマスミレに関する漢字の名称が分からないままでしたが(「檜前菫?」と表示)、佐賀県で植物の調査研究をされているとおっしゃる方(小城市在住、生物多様性に関する情報,絶滅危惧種など)から、情報をいただきました。
 情報によりますと「佐賀県の日隈山で最初に見つかって名前が付けられました。佐賀の倉成靖任さんの発見で、鹿児島の初島住彦先生が報告されています。」とのことでした。早速、これをキーワードに再検索を試みましたところ、佐賀県立博物館発行の「博物館報(第6号)」がヒットしてくれましたので、これを一次情報として、更新することと致しました。因みに、倉成靖任さんは博物館業務課の職員さんだったようです。
 情報提供に感謝いたします。
2021/04/20


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 (2011/09/10) Latest Update 2023/10/08 [465KB]

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