ウスゲスミレ (薄毛菫)
ウスゲスミレ
花と葉の形状はニオイタチツボスミレ、葉の色合いと葉脈の赤さはナガバノタチツボスミレ
ウスゲスミレ
花はナガバノタチツボスミレ、葉はニオイタチツボスミレ
ウスゲスミレ
花はニオイタチツボスミレ、葉はナガバノタチツボスミレ
茨城県 2024年4月11日
 ニオイタチツボスミレとナガバノタチツボスミレそれぞれの特徴と言えそうなパーツが入り交じって、いろいろな形質に分離している印象の群落が見られました。この個体群の一部が、交雑種だと特定できている訳ではありません。
 一例として、花冠は、どうみてもニオイタチツボスミレの特徴が色濃く出ていながら、葉の色合いが渋めの濃深緑色で、葉脈に赤みが出る個体などです。この山の少し離れた場所では、ニオイタチツボスミレに葉脈が赤い型は見られません。
2024/04/13

交雑親
ナガバノタチツボスミレ
ナガバノタチツボスミレ ( 2n=20 )
Viola ovato-oblonga (Miq.) Makino
ニオイタチツボスミレ
ニオイタチツボスミレ ( 2n=20 )
Viola obtusa (Makino) Makino
学名
Viola x inouei F.Maek. et T.Hashim., nom. nud.(裸名)Violets Jap.: 9 (1963)
茎の形態 有茎種間の交雑種
生育環境 山地の草原や比較的明るい落葉樹林下で見られる。
分布 国内 西日本で稀に見られる。
海外
補足
花の特徴 形状 中輪。形状、色合いはニオイタチツボスミレに近いケースとナガバノタチツボスミレに近いケースと分離する。側弁は無毛。
淡紅紫色から紅紫色。
太い筒状。
花期 3月から4月。
花柱 棒状。
芳香 調べたケースでは芳香を感居られなかった。
補足
葉の特徴 形状 根生葉はニオイタチツボスミレに近い心臓形から卵状心臓形。
茎生葉はナガバノタチツボスミレに近い長三角形、三角状披針形HELP!とされる。
ただし、そういう場合が多いという意味合いであり、観察した限り、分離する。
表面は緑色または深緑色、裏面は茶褐色を帯びる。
補足 表面には短毛が密生、裏面は無毛に近いという。茎にも短毛があり、目立つ程ではないが、同定ポイントと言えるかも知れない。
根の特徴
絶滅危惧情報
基準標本
参考情報
その他 根茎を伸ばして増え、群生するとの未確認情報がある。不稔、または2~3個が結実する不完全稔性と言われる。
1971年に浜栄助氏WHO!が秋吉台で見出してアキヨシタチツボスミレと命名したが、既にウスゲスミレとして発表済みと判明した。
 基本的に良く似た雰囲気を持つすみれ同士の自然交雑種で、同定は難しいと思います。
 関西在住の熱心なすみれ好きさんから、写真と情報を提供していただきました(「参考提供資料」をご覧下さい)。花後に、不完全稔性であることを確認したとのコメントがありました。
2012/06/21

 ニオイタチツボスミレとナガバノタチツボスミレは、かなり見慣れないと判別しがたい近縁種です。後者は葉脈に赤みを帯びることが多く、茎生葉が長めになるとは言え、見た目で容易に区別できないこともあります。
 個人の情報を取り扱う場合、主観的な感想だけでなく、「花粉を顕微鏡などで調べて見たところ、交雑種と思われる」といった客観情報が無い場合、すんなり受け入れ難い面があります。
2021/09/05

(つぶやきの棚)徒然草

 (2012/06/21) Latest Update 2024/04/14 [525KB]

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