ミヤマスミレ (深山菫)
- フイリミヤマスミレ (斑入深山菫)
- シロバナミヤマスミレ (白花深山菫)
- ヒダカミヤマスミレ (日高深山菫)
長野県松本市 2007年6月2日 alt.=1700m
長野県松本市 2007年6月2日
分類 |
ミヤマスミレ類 |
学名 |
基本種 |
ミヤマスミレ Viola selkirkii Pursh ex Goldie Published in: Edinb. Philos. Jour. 6: 324. (1822) |
変種 |
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品種 |
フイリミヤマスミレ Viola selkirkii Pursh ex Goldie f. variegata (Nakai) F.Maek. Published in: ESJ 3: 217 (1954)
シロバナミヤマスミレ Viola selkirkii Pursh ex Goldie f. alba Tatew.
ハダカミヤマスミレ Viola selkirkii Pursh ex Goldie f. subglabra (W.Becker) M.Mizush. Published in: J. Jap. Bot.,27: 144 (1952)
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異名 |
ミヤマスミレ Viola borealis Weinm. Published in: Linnaea 10: 66. (1836)
Viola carnosula W.Becker Published in: Beih. Bot. Centralbl. 36: II. 57. (1918)
Viola crassicornis W.Becker & Hultén Published in: Bot. 22A(3): 3. (1928)
Viola erecta Myers Published in: Am. Natural. 4: 438. (1870)
Viola funghuangensis P.Y.Fu & Y.C.Teng Published in: Fl. Pl. Herb. Chin. Bor.-Orient. 6: 292. (1977)
その他、事例多数につき、省略します
≡ シロバナミヤマスミレ Viola selkirkii f. albiflora (Nakai) F.Maek.
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由来 |
Viola selkirkii : 人名に由来する cf: セルカーク卿 : Thomas Douglas, 5th Earl of Selkirk, 1771-1820 Scotland |
外語一般名 |
【中】深山堇菜、【韓】뫼제비꽃、【英】great spurred violet, northern violet |
茎の形態 |
無茎種 |
生育環境 |
本州では標高が高く、主に湿気と土壌水分が多い落葉樹林下、林縁で観察され、時に群生する。北海道では平地でも見られる。
明るい南斜面で、群生という程にはならないが、散見することがあり、日陰のすみれとは言いがたい。
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分布 |
国内 |
北海道、本州の東日本、広島県、四国、南千島で見られる。 |
海外 |
北半球の冷温帯から亜寒帯域に広域分布する。 |
補足 |
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花の特徴 |
形状 |
小輪~中輪。側弁は無毛(稀にわずかに有毛)。 |
色 |
淡い紅紫色が一般的だが、鮮やかな紅紫色も比較的多く見られる。 |
距 |
長めの円筒状(6-8mm)。 |
花期 |
遅めで短い。 |
花柱 |
カマキリの頭形(虫頭形)で、突き出る。 |
芳香 |
無香(あっても、極めて弱い)。 |
補足 |
中心部が白く、唇弁に紫条が入る。萼の付属体は大きめ。 |
葉の特徴 |
形状 |
丸い心形で平開する。先が尖り、基部は心臓形。大きめの鋸歯が目立つ。葉質は薄め。夏葉は大きくなる。 |
色 |
明るい緑色、裏面は白っぽい(時に紫色を帯びるとされる (出典:N003)
)。 |
補足 |
薄めで光沢が見られることもある。掌を上に向けたように窪むものが多い。 |
種の特徴 |
形状 |
楕円形、中粒。果実の大きさに比べると大きめ。 |
色 |
淡い褐色。 |
補足 |
果実は中型。淡い緑色または軽く褐色を帯びる。褐色の斑点が見られる。 |
根の特徴 |
白っぽく、細長い。浅く横に広く伸びる性質がある。不定芽を作る。 |
絶滅危惧情報 |
埼玉県:絶滅危惧Ⅱ類、東京都:絶滅危惧Ⅱ類、静岡県:絶滅危惧Ⅰ類、徳島県:絶滅危惧Ⅰ類、高知県:絶滅危惧Ⅱ類、愛媛県:準絶滅危惧種 |
基準標本 |
モントリオール(カナダ) |
染色体数 |
2n=24 (Rudyka, E. G. 1984. Chromosome Numbers in vascular plants from the southern part of the Soviet Far East. Bot. Zhurn.) |
参考情報 |
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その他 |
花後に出る細い匍匐枝(茎)の先から新芽を形成して殖えるため、一面に群生することが多い。 |
群馬県利根郡 2006年6月12日 alt.=1,320m
長野県塩尻市 2001年6月3日
長野県下高井郡木島平村 2022年6月18日 alt.=1,550m
北海道斜里郡 2010年5月31日 alt.=250m
北海道函館市 2010年5月10日 alt.=190m
ミヤマスミレは長野、秋田、岩手等で出逢いましたが、フイリミヤマスミレはミヤマスミレとは少しイメージが違いました。蛇足ながら、秋田の写真は、雨とガスで全く撮影できなかったことを記憶しています。
2005/05/22
早池峰山(岩手)に産するミヤマスミレが非常に大型であるという報告があります(「早池峰山周辺のスミレ属に関する一考察」伊藤 栄 1968)。これは国内各地のみならず、海外に自生する個体と比較したものですが、比較表を見る限り、各部の測定値がそれぞれ1.5から2倍程度の値を示していて興味深いものがあります。因みに、早池峰山は北上山系の最高峰ですが、全山が蛇紋岩に代表される塩基性(苦鉄性)岩で、北海道のアポイ岳、尾瀬の至仏山と同様、蛇紋岩植物等とも呼ばれる独特な植物が見られることで有名です。高校生の時に一度登ったことがあるのですが、改めて訪ねてみたい山です。
2010/01/22
北海道斜里郡 2010年5月31日 alt.=250m
北海道厚岸郡 2010年6月2日 alt.=44m
なかなか出逢うことができないというイメージだったミヤマスミレですが、やはり、このすみれも「あるところにはある」の例に漏れず、群生している場所もあるんですね。ちょっと踏み込んだ細い登山道、雪の残るスキー場の脇道などでたくさん咲いていました。
2006/06/14
北海道で観察できたミヤマスミレについて、今更ですが、少し雰囲気が違うと思った瞬間があります。実は、インターネット上で写真を拝見した時に「これは北海道のミヤマスミレだ!」と識別できました。その後に内容を読むと道南で撮影されたものだと分かりました。花も葉もおとなしく、少し立ち上がり気味であることなど、特徴があるようです。
2010/12/27
群馬県利根郡 2023年4月29日
岩手県北上市 2023年5月11日 alt.=700m
山梨県甲府市 2023年5月3日 alt.=1,500m
(2001/10/15) Latest 2024/08/06 [2.25MB]