ニオイタチツボスミレ (匂立坪菫)
ニオイタチツボスミレ
千葉県船橋市 2011年4月26日
ニオイタチツボスミレ ニオイタチツボスミレ
埼玉県(西部) 2016年4月18日
ニオイタチツボスミレ ニオイタチツボスミレ
2002年3月31日 ( 千葉県船橋市 ) 2011年4月26日
分類 タチツボスミレ類
学名 基本種 ニオイタチツボスミレ Viola obtusa (Makino) Makino [B. M. T. 26: 151 (1912)]
変種
翠峰菫菜 (タイワンニオイタチツボスミレ) Viola obtusa var. tsuifengensis T.Hashim.
ハマニオイタチツボスミレ[俗名] Viola obtusa var. lucida
品種
オトメニオイタチツボスミレ Viola obtusa f. hemileuca Sugimoto
シロバナニオイタチツボスミレ Viola obtusa f. chibai (Makino) Hiyama et F.Maek.
テリハニオイタチツボスミレ Viola obtusa f. nuda (Ohwi) F.Maek.
参考 ケナシニオイタチツボスミレ Viola obtusa Makino f. nuda (Ohwi) F.Maek.
異名 ナガバノタチツボスミレ Viola ovato-oblonga (Miq.) Makino var. obtusa Makino [B. M. T. 21: 59 (1907)]
由来 obtusa : 鈍形の、円味を帯びた
外語一般名 [台] 翠峰菫菜 *変種参照
茎の形態 有茎(根生の花茎が多いため、花期には無形種のような印象がある)
生育環境 山地の明るく、やや乾燥した林下を好む。
分布 国内 北海道南部から屋久島まで、ほぼ日本全国に自生する。
海外 朝鮮半島、中国東北部。変種が台湾で見られる。
補足
花の特徴 形状 中輪。全体に丸く整ったイメージがある。個々の花弁も丸い。側弁は無毛。
濃紫から紅紫で、花の中央部が白く抜ける。特に唇便に濃い赤紫条が目立つ。
太い円筒形。タチツボスミレより短め。
花期 少し早咲き。
花柱 棒状(先端が少し膨らむことがある)。
芳香 甘い芳香あり。
補足 花茎に白い微毛が密生する。
葉の特徴 形状 根生葉は卵形、茎生葉は少しだけ細長い卵形。先は鈍頭、基部は心形。
夏は細長い三角形になる。
両面とも濃い緑色。表裏で差が少ない。
補足 茎生葉には三角状のものも見られる。高尾で見つけたものは、葉に光沢があった。
種の特徴 形状 丸みがある。
黒褐色。
補足 閉鎖花由来の結実が多い。
根の特徴
絶滅危惧情報 山形県:絶滅危惧Ⅱ類、東京都:絶滅危惧Ⅰ類
基準標本
ニオイタチツボスミレ : 不詳
シロバナニオイタチツボスミレ : Rikutyu : Mukaiyama near Ichinoseki、may 2, 1909 by Yoshio Chiba
テリハニオイタチツボスミレ : 栃木県那須郡那須村(現「那須町」) (京都大学収蔵)
染色体数 2n=20
参考情報
その他
オトメニオイタチツボスミレ

オトメニオイタチツボスミレ

花弁が白、距だけが淡紅紫のオトメ型HELP!

岩手県北上市 2002年5月2日

シロバナニオイタチツボスミレ

シロバナニオイタチツボスミレ

純白花(白花変種)

東京都 2006年4月3日 展示会

テリハニオイタチツボスミレ

テリハニオイタチツボスミレ

無毛で葉に光沢

神奈川県 2007年3月21日 展示会

ニオイタチツボスミレ ニオイタチツボスミレ
長野県長野市 1999年5月3日 戸隠

オトメニオイタチツボスミレ ニオイタチツボスミレ
オトメニオイタチツボスミレ 岩手県北上市 2002年5月2日 一般的な個体

ニオイタチツボスミレ ニオイタチツボスミレ
白い部分が広くて、周囲の赤紫色がボカシになった可愛い花です。一代限りの変わり花ではなかったようですね。
2005年5月4日 ( 静岡県 ) 2008年4月30日

ニオイタチツボスミレ ニオイタチツボスミレ
白い部分が極端に少なくて、全体がきりっとした濃い青紫色の花が見られました。縦長イメージ、距は白っぽい。
神奈川県 2011年4月24日
ニオイタチツボスミレ ニオイタチツボスミレ
ニオイタチツボスミレの花以外の特徴として、細く切れ込みが深い托葉がある。葉の先端が絞るように尖っているのは例外的。
埼玉県入間市 2016年4月18日

 特徴がはっきりしているので、初心者でも同定が比較的易しいのではないかと思います。花弁に丸みがあって、特に中央部の白と周りのコントラストが強い個体は、かわいい感じがしますね。芳香については、余り印象が強くありません。ヨーロッパのオドラータの近縁種とのことです。
1999/06/20
 山地や丘陵の日当たりの良いところに多いすみれです。花弁が丸みがあって重なりあい、まとまって咲きます。花弁の中央部の白色の部分がはっきりと区別できる特徴があり、日本のすみれの中では芳香も一番あるが、いつも匂うとは限らない。
『写真集 日本のすみれ(浜 栄助WHO! 編著)』より
なんでしょう  右の個体もニオイタチツボスミレと思われるのですが、花弁の色がとても変わっています。どうも配色が逆ですね。この付近には、タチツボスミレとニオイタチツボスミレの交雑種と見られる個体が見られました。この個体も同じような交雑種ではないかと思われますが、配色がユニークなので紹介してみました。

 高尾山のように多くの種類のすみれが混在している場所では、交雑種は極く普通に見られる場合があります。特に比較的近い種同士など、組み合わせによっては稔性のある交雑種もあり、一面に繁茂している状況も見られます。交雑種をうんぬんしても始まらない、と言う話も聞きますが、ユニークな形態の個体を見るのは楽しいのではないかと思っています。
東京都八王子市 2000年4月2日
 北海道西南部に自生しているとする情報が増え、五十嵐博氏の資料をベースに「一般資料」から「書籍情報」に変更しました。移入の可能性はないのか、できれば実際に確認したいところです。
2009/08/19


(つぶやきの棚)徒然草

 (1999/06/20) Latest Update 2023/06/28 [800KB]

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