既に完成している部分だけでも驚いていたのですが、新たに建築が進む首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の裏高尾橋を見て、まだ工事が続いていたのかと愕然としてしまいました。
この工事に先んじて行われた環境アセスメント調査の結果、着工されたということは「問題がなかった」ということでしょうが、実際には湧水が枯れるなど、幾つかの問題が生じていると聞きます。今後、排気ガスによる影響も確実に生じることでしょう。確かに便利にはなるのでしょうが、なぜ、嘘をついてまで高尾ルートでの建設にこだわったのか。それは大人の事情、すなわち経済的な問題だろうと推測します。余り詳しくない身で言及するには限度があるのですが、分かっていることは、福島第一原発などど同じように「嘘でも何でも始めてしまえばなんとかなる」、「一度始めてしまえば、槍が降っても止めない」、そして「誰も責任を負わずにウヤムヤにしてしまう」。そんな日本人の愚かな部分をまた見せつけられたような気がしました。
人口の減少を抑えられないのに、山を次々に崩して宅地化する行為は明らかに馬鹿げていて、毀損する価値の方が大きいのは誰の目にも明らかです。一方、高速道のようなインフラストラクチャーについては微妙な面があり、経済的にはバランスするかに見えます。ただ、きっと、次世代か、更に先の世代で後悔するのではないでしょうか。感傷で語るのではありません。嘘をついてまで進める価値に疑問があるということです。「後悔先に立たず」を承知の上で意図的に進めていては、ヒトの知恵が泣こうというものです。
大自然という言葉通り、自然に大きなキャパシティ(余裕)があった時代には結果オーライだったかも知れません。でも、現在、そのキャパはほとんど残されていないことを知るべきだと思います。既に、自然からのしっぺ返しは目に見える形で始まっているというのに、それを知らなかった時代と同じ価値観と行動パターンで物事を進めるのは、学ぶという行為を拒否した余りに愚かなことです。知っているのに止められない。まるで薬物中毒患者と同じ状態ですね。
子供の頃から原発はNGを貫いてきましたが、笑われたことも何度かありました。でも、ダメはダメ!ダメでもOKを繰り返していたら、もう誰も笑うことができない状態になってしまうことでしょう。
(2011/03/27) Latest Update 2024/08/06 [400KB]