チシマウスバスミレ 千島薄葉菫
チシマウスバスミレ
手前はニョイスミレ
チシマウスバスミレ
群馬県利根郡 2005年6月18日
右側はオオタチツボスミレ

分類

ウスバスミレ類 別名:ケウスバスミレ
茎の形態 無茎
生育環境 中部地方では亜高山の湿原やコケの生えた湿度の高い場所で見られる。
分布 [ 国内 ] 北海道から中部地方に点在する。
[ 海外 ] カムチャッカ、千島、樺太。
花の特徴 [ 形状 ] 小輪。
[ 色味 ] 白色の花弁で、唇弁に紫条が入る。
[ 距 ] 丸くて短い。
[ 花期 ] 遅い。
[ 花柱 ] 柱頭の形状はカマキリの頭のような逆三角形。
[ 他 ] 上弁は間が空き、反り返っている。
葉の特徴 [ 形状 ] 基部が深い円心型。ウスバスミレより少し小さめ。
[ 色味 ] 明るい緑色。
[ 他 ] 鋸歯は折り重ならない(ウスバスミレとの違い)。上面にまばらに短毛がある。
学名
チシマウスバスミレ Viola hultenii W. Becker
hultenii : 人名に由来する スウェーデンのhulten氏。
染色体数 2n=24
基準標本 カムチャッカ
その他 地下茎から不定芽を出して増殖する。朔果にウスバスミレのような斑点は見られない。

 全く意識していませんでした(大失態)。翌年になってから「もしや」と思い立ち、撮影した写真を再確認していた時に見つけました。よく撮影していたものです。
2006/06/19
 菊地政雄先生の資料によりますと、ウスバスミレという和名は牧野富太郎先生の論文(1905年)に求めることができるとあります。ただ、当時はウスバスミレとチシマウスバスミレ、それから北米の近縁種が混同されており、日本に自生する2種についても同一視されていたことが産地から分かると記載されています。
 その後、中井猛之進先生が3種の関係に関する所見を発表(1922年)しているのですが、花の色に関する記述に誤認識があり、当時の状況から、標本から推測したのであろうと探偵ばりの謎解きをしているのも菊地先生です。更に、W. Becker と Hulten により、現在の知見に近い概念にまとめられていったのだそうです。
2008/02/19
 チシマウスバスミレの自生地は比較的限定されていますが、長野県と新潟県の県境にある野々海池湿原では、溜め池として利用することとなったために自生地全体が池の底に沈んでしまったのだそうです。昔の話で、当時の状況では雑草より田圃の方が大事だったのでしょうね。
2008/05/21
 確かな複数の情報により、下の分布図に福島県を追加しました。
2008/06/21

観察記録 (分布) 北海道
書籍情報 高山
一般情報 亜高山 青森 岩手
絶滅危惧 秋田 宮城
( 未確認 ) 山形 福島
富山 新潟 群馬 栃木
山口 島根 鳥取 京都 福井 石川 長野 埼玉 茨城
長崎 佐賀 福岡 広島 岡山 兵庫 滋賀 岐阜 山梨 東京 千葉
熊本 大分 愛媛 香川 大阪 奈良 愛知 静岡 神奈川
沖縄 鹿児島 宮崎 高知 徳島 和歌山 三重

(2006/06/19) Latest Update 2008/08/15 [70KB] 途中からアクセスされた方はをクリック!