エゾアオイスミレ (蝦夷葵菫) [別名:テシオスミレ、タチアオイスミレ、エゾノアオイスミレ]
エゾアオイスミレ
エゾアオイスミレ エゾアオイスミレ
東京都西多摩郡 2008年4月29日 alt.=790m

エゾアオイスミレ エゾアオイスミレ
エゾアオイスミレ エゾアオイスミレ
山梨県南津留郡 2010年4月3日 alt.=1,020m
分類 ニオイスミレ類
学名 基本種 エゾアオイスミレ Viola collina Besser Published in: Cat. hort. Cremeneci 151. (1816)
変種
品種 シロバナエゾアオイスミレ
異名
エゾアオイスミレ Viola teshioensis Miyabe et Tatew.
シロバナエゾアオイスミレ Viola teshioensis Miyabe et Tatew. f. albiflora Tatew.
Viola atrichocarpa Borb.
Viola centronum Perrier
Viola declivis Des Moul.
Viola gymnocarpa Janka
Viola nipponica var. yezoana Koidz.
Viola opizii Knaf
Viola valesiaca Hausskn.
他多数
由来 collina : 丘地性の
外語一般名 【中】球果堇菜 (qiu guo jin cai)、【台】球果菫菜、【韓】둥근털제비꽃
茎の形態 有茎。根茎を伸ばすが、匍匐枝(茎)HELP!は出さない。地上茎は極めて短い。
生育環境 明るい落葉樹林下、林縁などを好む。
本州では、近縁のアオイスミレに比べると標高の高い場所に自生する。
分布 国内 北海道から本州中部まで見られる。
海外 台湾などの東アジア、北アジア、ロシアからヨーロッパまで広域に分布する。
補足
花の特徴 形状 中輪。側弁の基部に毛がある。上弁は反り、側弁は余り開かない。
淡い紫色。唇弁に紫色の条が入る。
白っぽくて小さめ。
花期 高山性にしては早い。
花柱 棒状。
芳香 あり。
補足 花弁が大きく波打つ。
葉の特徴 形状 丸型だが先が尖っている。葉が垂直に立ち上がる。
両面とも柔らかい緑色。表裏で差が少ない。
補足 越冬葉は見られない。葉に細かい毛が目立つ。
種の特徴 形状
補足 球形で毛だらけの果実を形成する。地面でそっと裂開する。蟻散布植物。
根の特徴
絶滅危惧情報 秋田県:絶滅危惧Ⅰ類、埼玉県:準絶滅危惧種
基準標本 アムール(中国とロシアの国境、アムール川=黒竜江流域と思われる)
染色体数 2n=20
(LEE, Y. N. 1967. Chromosome Numbers of flowering plants in Korea. J. Korean Res. Inst. Ewha Women's Univ.)
参考情報
その他
アオイスミレ似て、整った形は少ない。匍匐枝(茎)で栄養繁殖HELP!することはない。
稀に別名マルバケスミレと呼ばれるが、ケマルバスミレ(マルバスミレ)と紛らわしい。

エゾアオイスミレ エゾアオイスミレ
山梨県南津留郡 2001年5月5日 河口湖
エゾアオイスミレ びっしりと微毛に覆われた葉が

立ち上がっている

花がなかったらピンと来ないだろう

花はアオイスミレに良く似ている
エゾアオイスミレ エゾアオイスミレ
山梨県南津留郡 2001年5月5日 河口湖
エゾアオイスミレ なかなか花が見られない

このような姿はよく見るが、

花が咲いた様子もない

咲いていないのだろうか?
長野県松本市 2007年6月2日

エゾアオイスミレ
山梨県笛吹市 2009年4月12日 alt.=1,200m

エゾアオイスミレ

 山に麓付近に咲いていたが、教えてもらわなければ、おそらく分からなかったと思われます。花を見て初めて「ああ、なるほど、すみれだなぁ」というイメージでした。遅い時期だったので、花を見ることができたのはラッキーだったのかも知れません。
2001/05/12

 アオイスミレとの比較で語られることが多いが、特に側弁の開き方について「アオイスミレと違って開いているものが多い」という説明を見ました。実際に見た限り、ほとんど開いていません。個体差なのでしょうか。
 葉の形態には季節変化があるという報告がある。季節変化と言っても、この場合、期間変化とでも呼んだ方が良さそうな短い時間経過を意味するのですが、柄の短い丸みを帯びた小さな葉を展開する期間があり、その後、柄が長くて大きめの細長い葉に変わって行くという説明でした。改めて、写真を見てみると頷けるものがあり、今後は、もう少し意識して見てみたいですね。
2007/02/01

 アオイスミレの学名はViola hondoensis、即ち、「本州のすみれ」という意味になります。一方、エゾアオイスミレは「蝦夷(の)アオイスミレ」ですから、特に北海道に分布しているようなイメージがあるかも知れません。ところが北海道には実際に両方が自生しており、分布状態ではアオイスミレの方が多く、エゾアオイスミレの分布は限定的です。因みに、北海道の植物を取り上げた植物図鑑の幾つかで、アオイスミレをエゾアオイスミレとして記載しているそうで、この辺の事情も混乱の一因になっているのかも知れません。
2008/10/17

 『埼玉県植物誌』の記載にしたがって、埼玉県に「書籍情報」をマークします。
2010/01/11


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 (2001/05/12) Latest Update 2023/08/26 [735KB]

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