キクバノジスミレ・春爛漫 [流通名] (菊葉野路菫・春爛漫)
キクバノジスミレ・春爛漫
キクバノジスミレ・春爛漫 キクバノジスミレ・春爛漫
千葉県 2009年3月26日 植栽
キクバノジスミレ・春爛漫 キクバノジスミレ・春爛漫
千葉県 2009年3月31日 植栽

キクバノジスミレ・春爛漫 キクバノジスミレ・春爛漫
愛知県 2008年4月5日 植栽

キクバノジスミレ・春爛漫
東京都 2014年3月31日 植栽
作出 浜島糸子氏 :「キクバノジスミレ・春爛漫」は流通名(園芸品種/栽培品種名)として扱っている。
交雑親
ヒゴスミレ
ヒゴスミレ(三重県仙ケ岳産)写真は参考(別産地)
Viola chaerophylloides f. sieboldiana
(Maxim.) F.Maek. et Hashimoto ( 2n=24 )
ノジスミレ
ノジスミレ(桃色花)写真は参考(別の色合い)
Viola yedoensis Makino ( 2n=24 )
Viola x 'キクバノジスミレ・春爛漫 (Kikubanojisumire Haruranman)' (Viola x sp.)
Viola chaerophylloides f. sieboldiana x V. yedoensis
花の特徴 形状 両親、どちらのイメージとも異なる。
端正なピンク色の花がバランス良く咲くようだ。
花期
花柱
芳香 芳香はない。
補足
葉の特徴 形状 片親がヒゴスミレであるため、一般に(菊の葉のような)切れ葉になる。
両面とも濃緑色。
補足
参考情報
その他 高い稔性が認められた。名称は、日本スミレ同好会独自の登録(1983年)システムに従っている。
登録内容:ノジスミレ(桃色花)とエイザンスミレ(三重県産)の組み合わせによる交配(1983年)。
園芸品種(栽培品種)名の表現
 園芸品種とは園芸的に優れた形質を持つ系統の保護を目的に作られ、種の分類項目の一つとみなされますが、独立した概念です。
 表記としては"cultivar(cultivated variety)"を付す方法が用いられていました(一般に"cv."と略す)。
 尚、複数形である"cvs."が使用される例は稀有であり、一語で複数の園芸品種を指し示す必要がある場合に限られます。
 従前は右のように表記されていました。 Viola odorata cv. 'Sulphurea' → Viola odorata 'Sulphurea'
 1995年の国際栽培植物命名規約(ICNCP)では、学名欄の通り"cv."を記載しないことになり、旧表記法は廃止されました。
 (2021年現在、国際栽培植物命名規約の最新版は第9版の2016年版 [ISBN 978-94-6261-116-0] です)
 園芸品種(栽培品種)を単に「品種」と呼ぶ例が散見されますが、分類項目の品種("f.")とは異質な概念なので、意識的に区別すべきでしょう。尚、栽培品種名は、正確を期すれば「学名」ではないのですが、便宜上、同様に扱われる例が多く、当サイトも同様です。

キクバノジスミレ・春爛漫 キクバノジスミレ・春爛漫 キクバノジスミレ・春爛漫
タネができましたよ!良いのでしょうか?なぜかタネができてしまいましたので、蒔いてみますが、育てるのは得意ではないんです。
 2001年の3月初旬、東京都内の園芸ショップで、早々とすみれの苗が売られ始めました。ついつい目が向いて、たくさんの苗の中、一際きれいなピンクの花が目に留まり、「庭の余裕がないので、これ以上、増やしてはいけない」と思いながら、やはり誘惑に負けてしまいました。名札を見ると「春らんまん」と書いてあり、「味なネーミングよのぉ」と感じて、すみれのML(メーリングリスト * 現在は使用不可)で紹介しましたところ、お二人の方から情報をいただいて上記のようにまとめました。これが園芸業者に流れ、名前が変わって流通したものではないかとのことです。
 情報をいただきましたのはスミレの集いの遠藤氏、もう一人はスミレ同好会の世話人と語る山田氏ですが、詳しく説明いただいたメールの一部に「・・・特に切れ葉のものにキクバ(×ヒゴ)、フギレ(×エイザン)をつける・・・(中略)、どちらが片親となっているのかすぐ判るようにとの故浜栄助先生WHO!の提案でした」との補足がありましたので紹介します。 2001/03/10
キクバノジスミレ・春爛漫  ところで、この交雑種にはタネができました。どんな性質なのでしょうか。その前に、果たして発芽するのでしょうか。上手な方に任せた方が正解かも知れません。 2001/04/30
 この時には発芽しませんでしたが、後日、トライしてみましたところ、しっかり発芽しました。発芽率も良く、同時に播種した種子の内でも発芽は早い方でした。ここまで芽が出て、うまく育たないとすれば、それは単なる栽培下手ですね。 2013/03/08
 前述している、園芸業者が名前が変えて流通させる話ですが、現在も変わっていません。表記について、「春らんまん」は子どもには難しい漢字をひらがなにした柔らかい表現と理解できなくもありませんが、「春らんまんスミレ」というのはどうなのでしょうか。作出者(命名者)の立場に立ってみますと、ちょっと微妙なのではないかと思います。園芸業者の立場に立つ必要があるものか分かりませんが、スミレという言葉がないと分かり難くて売れないという事情があるのかも知れません。でも、本来「キクバノジスミレ・春爛漫」とフルネームで表記すれば、最初から問題が起こらないような気もします(笑)。
 表記の妥当性を含めて、作出者の利益や立場を擁護するための制度として、農水省の品種登録制度というものがあります。ただ、登録まで期間が平成12年で平均3.9年、平成15年までに大幅な改善が行われて3.1年に短縮されたという代物だそうですから、農産物向けであって、園芸品種の登録には適していないようです。なんらか別の方法を探すしかありませんが、そんなうまい方法はありませんから、「紅鶴スミレ」とか、果ては「日本スミレ」という意味不明な名前のままで何年にも渡って継続流通しています。購入した方が素直にそのまま信じたら、伝言ゲームよりまずいことになりますよね(何しろ、最初から間違えているのですから)。 2009/01/29
 何年か育ててみて、株元が木質化してきたら株分けをして、なんとか維持しています。おもしろいことに、花が良く咲く年と、いい加減にしか咲かない年があるようです。今年は気の利いた花が咲かない年に当たったようですね。 2010/07/09
 上記の続きですが、2014年は良く咲きそうです。株分けで幾つかの鉢に分かれていますが、同じように蕾が多めに膨らんでいます。 2014/03/29

(つぶやきの棚)徒然草

 (2001/03/10) Latest Update 2023/08/28 [575KB]

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