トミオカスミレ [流通名] (富岡菫)
トミオカスミレ
神奈川県 2008年3月23日 植栽
作出 鈴木吉五郎氏WHO!:トミオカスミレ(富岡菫)は流通名(園芸品種/栽培品種名)として扱っている。
交雑親
ニシキスミレ
ニシキスミレ ( 2n=48 )
Viola mandshurica f. albo-variegata Hort. ex F.Maek.
フイリゲンジスミレ(白花変種)
フイリゲンジスミレ ( 2n=24 )
Viola variegata Fischer ex Link [写真は白花変種]
Viola x 'Tomioka'
Viola Viola mandshurica f. albo-variegata x V. variegata
Viola x kisoana Nakai f. suzukii Hort. ex F.Maek. et Hashimoto
交配者である鈴木吉五郎氏が経営する「春及園」があった神奈川県横浜市の金沢富岡に因む。
花の特徴 形状 中輪。両母種の中間形で側弁に毛がある。
濃紫色。
円筒形。
花期
花柱
芳香
補足
葉の特徴 形状 長楕円状披針形HELP!
ニシキスミレ由来の象牙色と淡紅色の斑が見られ(錦葉)、フイリゲンジスミレ由来の葉脈HELP!に沿った白斑も同時に見られる。裏面は暗紫色。
補足
参考情報
その他 丈夫で育てやすいとのこと。不稔性。
園芸品種(栽培品種)名の表現
 園芸品種とは園芸的に優れた形質を持つ系統の保護を目的に作られ、種の分類項目の一つとみなされますが、独立した概念です。
 表記としては"cultivar(cultivated variety)"を付す方法が用いられていました(一般に"cv."と略す)。
 尚、複数形である"cvs."が使用される例は稀有であり、一語で複数の園芸品種を指し示す必要がある場合に限られます。
 従前は右のように表記されていました。 Viola odorata cv. 'Sulphurea' → Viola odorata 'Sulphurea'
 1995年の国際栽培植物命名規約(ICNCP)では、学名欄の通り"cv."を記載しないことになり、旧表記法は廃止されました。
 (2021年現在、国際栽培植物命名規約の最新版は第9版の2016年版 [ISBN 978-94-6261-116-0] です)
 園芸品種(栽培品種)を単に「品種」と呼ぶ例が散見されますが、分類項目の品種("f.")とは異質な概念なので、意識的に区別すべきでしょう。尚、栽培品種名は、正確を期すれば「学名」ではないのですが、便宜上、同様に扱われる例が多く、当サイトも同様です。
 すみれ展で撮影させていただいた人工交配種です。片親のニシキスミレは園芸品種、もう一方のフイリゲンジスミレは外来種ですから、原則として、自然交雑種が自生していることは考えられません。昨今の状況なら、栽培品が逃げ出して交雑するなんてウルトラCもあるかも知れません。(=^_^=)
 スミレとゲンジスミレの組み合わせならキソスミレということになります。全く別の名前を付けるのはどうかな?と思いました。ただ、資料によるとキソスミレの方が先に見い出されていたらしいのですが、花が咲かずに中途半端な状態だった期間があって、その間にトミオカスミレが交配されて登場したものと読みとれます。
 一方、キソスミレは「木曽菫」と書きますが、「南木曽菫」はナギソスミレと読み、スミレとマキノスミレという別の組み合わせの自然交雑種ですから、ややこしい話になっている訳です。
2008/08/21

 すみれ仲間のサイトによりますと、移植を嫌うゲンジスミレの気難しさは引き継いでおらず、育てやすいハイブリッドになっているそうです。この辺がおもしろいところですね。
2010/12/30


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 (2006/08/22) Latest Update 2023/08/28 [130KB]

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