
| 園芸品種(栽培品種)名の表現 |
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園芸品種とは園芸的に優れた形質を持つ系統の保護を目的に作られ、種の分類項目の一つとみなされますが、独立した概念です。 表記としては"cultivar(cultivated variety)"を付す方法が用いられていました(一般に"cv."と略す)。 尚、複数形である"cvs."が使用される例は稀有であり、一語で複数の園芸品種を指し示す必要がある場合に限られます。 |
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従前は右のように表記されていました。 Viola odorata cv. 'Sulphurea' → Viola odorata 'Sulphurea' 1995年の国際栽培植物命名規約(ICNCP)では、学名欄の通り"cv."を記載しないことになり、旧表記法は廃止されました。 (2021年現在、国際栽培植物命名規約の最新版は第9版の2016年版 [ISBN 978-94-6261-116-0] です) |
| 園芸品種(栽培品種)を単に「品種」と呼ぶ例が散見されますが、分類項目の品種("f.")とは異質な概念なので、意識的に区別すべきでしょう。尚、栽培品種名は、正確を期すれば「学名」ではないのですが、便宜上、同様に扱われる例が多く、当サイトも同様です。 |
日本中、どこでも見られるが、山地では余り見かけない。乾燥した明るい平地や田畑の畦がお好みのようだ。Viola mandshuricaは「満州の」すみれを意味する。スミレという和名を持つため、混同を避けるため、学名のマンジュリカで呼ぶことがある。1999/06/20
ところで、この「満州の」という表現を嫌い、「日本のすみれをマンジュリカと呼ぶのは変だ」という声を聞いたことがある。タイプ標本が旧満州国で採集されたものであったら、この命名になんら不思議はないのだが…。日本でも中国でも見られるすみれだということではないかと思う。
因みに、中文(中国語)名は「東北菫名」、中国各地、台湾、韓国、それからロシアにも自生する。資料が変わると、Viola taiwaniana が正名でV. mandshurica の方が異名とされている。2006/01/18
幾つかの品種があり、ニシキスミレ(初期の葉に白や黄色、紅色の斑が入る)、シロガネスミレ(紫条が入る白花、東京の旧白金御料地で見つかった)、明神(唇弁に白い部分が無い濃紫色、箱根の明神ガ岳で見つかった)、コモロスミレ(八重咲き、長野県小諸市で見つかった)などがある。コモロスミレは小諸市の天然記念物に指定されている。地元の方に数人尋ねてみたが、知名度は低いらしい。その他、シマスミレ(俗)、エビ茶スミレなどがあり、とても変異が多い。
(注釈)白金は地名なので、シロガネではなく、濁点のないシロカネと呼ぶのが妥当と考えていたが、原記載を見ると、旧白金御料地の読みが濁るため、シロガネスミレ(新称)とされていたことから修正した経緯がある。1999/06/20
高校時代、砂埃の舞うグランドの隅でスミレが元気に咲いていたのを記憶している。2年前、久しぶりに訪ねたら、全く見当たらなかった。その代わりに、ニョイスミレが一面に咲いていた。マンジュリカもニョイスミレも遅咲きなので、花期は合っているはずなのだが…。1999/06/20
一般に八重咲きの植物は種子を作ることができない。その理由は、そもそも増えた分の花弁というものが雄しべや雌しべが花弁化したものだからだ。花弁化したことによって生殖機能を失ってしまう訳だが、では、コモロスミレはどうやって子孫を増やしているのだろうか。そう言えば、自宅前のアスファルトの隙間に、こぼれタネから発芽したであろう株が大きく元気に育ったことがある。種子はできていたのだ。この謎を解く鍵は開花期が終わってから立ち上がる「閉鎖花」にある。そうか、閉鎖花なら花弁化云々とは関係なく種子ができる。
ただ、閉鎖花由来の種子は自家受粉によるもので、遺伝子の固定化と同じプロセスなのだ。同じ遺伝子を持つことは園芸的には優れているが、遺伝子の多様性は期待できないことになる。1999/06/20
種名としてのスミレと、科名や属名としてのスミレとを区別するため、前者を「マスミレ(真菫)」と呼ぶ…、って本当ですか?
聞いたことがありませんでした。ネット上で初めて目にしたのは2019年のことです。
魚のコイを「マゴイ」、蝶のアゲハを「ナミアゲハ」と呼ぶケースに似ていますね。でも、センスない感じがしますが…!^^

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