ゲンジスミレがこんな風に単独展示されているのは珍しいような気がします。栽培が難しく、特に移植を嫌うとされていて、展示会で拝見するとすれば、大きな平鉢に「種を蒔きました」という風情の大量展示が多かったと記憶しています。
あちこち歩き廻ってもなかなか見つからないすみれです。なんとかして観察地を増やしたいと思っているのですが、思うに任せません。イヨスミレが保護されている自生地に出かける準備をしていた年は、春の訪れが早くてタイミングがずれてしまいました。幾つかの意味で展示会は大事な観察の機会です。野山で見る状態とは異なるかも知れませんが、見やすい位置から撮影しやすい角度で記録できる訳ですから、嬉しくなります。実際の自生地は乾燥していて、葉モ花も余り目立たない種なのに、更に地面にへばりつくように花が咲いていることが多いのです。