分類 | ミヤマスミレ類 | |
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学名 | 基本種 | フイリゲンジスミレ Viola variegata Fisch. ex DC.: (cf. Fisch. ex Gingins, Fisch. ex Link) |
変種 |
ゲンジスミレ Viola variegata var. nipponica Makino Published in:B. M. T. 16: 159 (1902)
ミドリゲンジスミレ Viola variegata var. nipponica f. viridis (Kitag.) Kitag.
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品種 | ||
異名 |
Viola variegata f. nipponica (Makino) F.Maek.
イヨスミレ Viola umemurae Makino Published in:B. M. T. 16: 131 (1902)
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由来 |
variegata : 斑紋がある、斑入りの、
nipponica : 日本の、 umemurae : 人名由来、本草学者の梅村甚太郎(1862-1946)に牧野富太郎博士が献名 |
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外語一般名 | 【中】班葉菫菜、斑叶菫菜、【韓】알록제비꽃、【英】Cyclamen leaf Violet, Variegated leaf Violet | |
茎の形態 | 無茎種 | |
生育環境 | 陽当たりの良い乾燥気味の落葉樹林下、崩落した法面などに見られる。 | |
分布 | 国内 | 北東北、中部から関東の内陸部、岡山、愛媛に隔離分布する。個体数は少ない。 |
海外 | 母種が中国、朝鮮、シベリア等で見られ、更に数種の変種および品種が知られる。 | |
補足 | ||
花の特徴 | 形状 | 中輪。側弁の基部は有毛。 |
色 | 淡い紅紫で、裏面の方が色が濃い。各花弁に紫条が入る。中心部が黄緑色かかる。 | |
距 | 太い円筒形。 | |
花期 | 比較的早い。 | |
花柱 | カマキリの頭状(型)。 | |
芳香 | 複数の報告から、芳香があるものと推察するが、自生地では確認できていない。 | |
補足 | 花茎が短め。花茎には微毛が密生する。 | |
葉の特徴 | 形状 | 卵型から円形で基部は心形。両面に微毛が見られる。 |
色 | 表面は暗い緑色から暗褐色、裏面は紫色を帯びる(淡い緑色の個体も見られる)。 | |
補足 | フイリゲンジスミレには葉脈に沿う白斑がある(ゲンジスミレにも少し見られる)。 | |
種の特徴 | 形状 | 倒卵形。中粒。 |
色 | 象毛色に近い淡い茶褐色。 | |
補足 | 果実は赤みのある茶褐色で白い微毛が密生している。 | |
根の特徴 | 白い髭根。 | |
絶滅危惧情報 | 青森県:準絶滅危惧種、秋田県:絶滅危惧Ⅰ類、岩手県:絶滅危惧Ⅱ類、栃木県:準絶滅危惧種、群馬県:絶滅危惧Ⅱ類、埼玉県:絶滅危惧Ⅰ類、東京都:絶滅危惧Ⅰ類、神奈川県:絶滅危惧Ⅰ類、広島県:絶滅危惧Ⅱ類、愛媛県:絶滅危惧Ⅰ類 | |
基準標本 |
ゲンジスミレ : 長野市旧荒安村 田中貢一 1902年5月24日
イヨスミレ : 愛媛県松山市(旧北条市)腰折山 梅村甚太郎 1898年4月17日 牧野標本館収蔵、松山市天然記念物(1972年指定)
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染色体数 | 2n=24 (Rudyka, E. G., 1990, Botanicheskii Žhurnal) | |
参考情報 |
「イヨスミレ」について (愛媛県松山市公式ホームページより)
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その他 |
一般の資料では「別名:イヨスミレ」等と表現される。葉の裏面や花色が比較的淡く、愛媛県松山市の梅村甚太郎氏(上記参照)が旧北条市で発見した個体を牧野富太郎博士が「伊予すみれ」( Viola umemurae Makino )と命名、後にゲンジスミレに統合された経緯を持つ。 前川文夫博士の説によれば、同種は大陸と繋がっていた氷河時代の遺存種である。南下したルートにより2系統があり、長野県付近のゲンジスミレは満州系と表現され、一方、イヨスミレの方は朝鮮半島系で、フイリゲンジスミレに近縁とされる。(注:平成になって、山形大学の研究者がDNA比較を実施したところ、「全く同じDNAを持っていることががわかった」との報告がある。) |
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中国、朝鮮半島等に分布するフイリゲンジスミレが母種となる。その意味では外国種に分類しても良い訳だが、日本に自生する変種があるという位置づけで分類した。ただし、花の様子はかなり異なる。母種は、日本の変種に比べて花の色合いが濃く、紅色と呼ぶべき色合いもある。 | ||
葉の特徴から、欧州でシクラメンリーフバイオレットという呼び名が通るという。 |