エゾキスミレ [オオバキスミレの亜種] (蝦夷黄菫)
エゾキスミレ
愛知県 2008年4月5日 植栽
分類 キスミレ類
学名 基本種 オオバキスミレ Viola brevistipulata (Franch. et Savat.) W. Becker Published in: Beih. Bot. Centralbl., Abt. 2, 34:265 (1916)
変種
亜種 エゾキスミレViola brevistipulata ssp. hidakana (Nakai) S. Watanabe
異名
由来 brevistipulata : 短い托葉がある、hidakana : 日高の(日高山脈の)
外語一般名
茎の形態 有茎種
生育環境 超塩基性岩(蛇紋岩やカンラン岩など苦鉄質HELP!火成岩)の岩場に自生する。
分布 国内 北海道特産(日高地方の蛇紋岩地帯:アポイ岳・幌泉岳、石狩の白鳥山)。
海外
補足
花の特徴 形状 中輪。側弁の基部に毛がある。唇弁が小さい。
山吹色と呼んだ方が良いような濃い黄色。唇弁に濃紫色の条が入る。
小さくてほとんど目立たない。
花期 5月中旬~6月上旬。
花柱 上部に毛が生える。
芳香
補足 花弁の裏側が紫色を帯びる。柱頭と側弁の内側に毛がある。茎は紅紫色で無毛。
葉の特徴 形状 茎の上方3枚(一般に大きさが異なる)が輪生に近い姿でまとまって付く傾向がある。肉厚。長三角状卵形。先端は更に尾状に細長く尖る。ゆるやかな鋸歯HELP!が目立つ。
ただし、南日高の粘板岩や花崗岩質など、生育地の基岩が異なると葉質は薄くなる。
表面は光沢のある濃暗緑色。裏面は濃紫色を帯びる。葉脈HELP!は暗い紫紅色。縁の隆起が強い株では肉厚で光沢が強い傾向があるとのこと。南日高では裏面が濃紫色ではなくなる。
補足 閉じ気味で、茎上部の葉が輪生状に付くことが多いが、一定していない。渡辺定元氏によると「一般に生育の良い個体は葉が輪生しない」。
托葉小さくて単純な形状(広披針形または卵状披針形)で先が尖り、褐色の斑点がある。
種の特徴 形状
補足
根の特徴
絶滅危惧情報
基準標本 幌泉郡
染色体数 2n=12
参考情報
その他 オオバキスミレが小型化して、葉の色が濃くなり、塩基性土壌に対応した亜種HELP!
栽培の麺から見ると、オオバキスミレの仲間では育てやすいとの情報がある。

幾つかの型がある。
1)ケエゾキスミレ:
 葉質が薄く、裏面は濃緑色、葉の縁、裏面に毛がある(日高山脈に多い)。
2)トカチキスミレ:
 ケエゾキスミレの無毛品(日高山脈のカムイエクウチカウシ山等)。
3)コバナエゾキスミレ:
 花が小さく花弁が長楕円形(十勝川上流のニペソツ川の亜高山帯)。
4)フギレキスミレ:
 ケエゾキスミレの鋸歯が粗大化(夕張山脈芦別岳、日高山脈北部)。
【出典:オオバキスミレとエゾキスミレの一群、植物分類・地理(1961)、渡辺定元】
 北海道のアポイ岳と道北の一部だけに産する北海道特産種です。やはり、塩基性の土壌である夕張岳近隣だけで見られるシソバキスミレ Viola yubariana と比較されるべきものでしょうね。シソバキスミレはオオバキスミレと近縁種ながら、学名を見ても分かる通り、一応、別種という扱いです。アポイ岳が見える場所まで行ったことがあるのですが、もう一度出掛けてみたいです。
2009/02/11
オオバキスミレの概要
和 名 学 名
亜 種 変 種 / 品 種
オオバキスミレ オオバキスミレ オオバキスミレ Viola brevistipulata subsp. brevistipulata var. brevistipulata
ミヤマキスミレ f. acuminata
ナエバキスミレ var. kishidae
フチゲオオバキスミレ var. ciliata
フギレオオバキスミレ var. laciniata
アラゲキスミレ f. pubescens
シロバナオオバキスミレ f. albescens
エゾキスミレ エゾキスミレ Viola brevistipulata subsp. hidakana var. hidakana
ケエゾキスミレ var. yezoana
トカチキスミレ f. glabra
コバナエゾキスミレ f. parviflora
フギレキスミレ var. incisa
ダイセンキスミレ ダイセンキスミレ Viola brevistipulata subsp. minor var. minor

ダイセンキスミレとナエバキスミレの同一とする説がある * 和名または学名がある種のみ


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 (2009/02/11) Latest Update 2024/08/06 [60KB]

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