分類 | ミヤマスミレ類 | |
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学名 | 基本種 | シハイスミレ Viola violacea Makino Published in: Ill. Fl. Jap. 1: t. 67. (1891) |
変種 |
<標準和名として扱うもの>
マキノスミレ Viola violacea var. makinoi (Boiss.) Hiyama ex F.Maek. Published in: Enum. Spermatophytarum Japon. 3: 222 (1954) フイリマキノスミレ Viola violacea var. makinoi f. variegata E.Hama
シナノスミレ Viola violacea var. tanakaeana (Makino) T.Hashim. ex E.Hama & K.Nakaj. Published in: J. Jap. Bot. 51: 342 (1976)
<上記以外>
フイリシナノスミレ Viola violacea var. tanakaeana f. okuharae E.Hama
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品種 |
<標準和名として扱うもの>
コンピラスミレ Viola violacea f. pictifolia Honda Published in: J. Jap. Bot. 24: 30 (1949)
シロバナシハイスミレ Viola violacea f. albida (Nakai) F.Maek. Published in: Enum. Spermatophytarum Japon. 3: 222 (1954)
フイリシハイスミレ Viola violacea f. versicolor E.Hama Published in: J. Jap. Bot., 51(11): 341. (1976)
ミドリシハイスミレ Viola violacea f. concolor Nakash. Published in: J. Nat. Hist. Soc. Fukuoka 2: 164 (1938)
<上記以外>
アカバナシハイスミレ Viola violacea f. rubra E.Hama Published in: J. Jap. Bot., 51(11): 342. (1976)
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異名 |
マキノスミレ Viola makinoi H.Boissieu Published in: Bull. Soc. Bot. Fr. 47: 320. (1900)
Viola obtusosagitta Koidz. Published in: Bot. Mag. (Tokyo) 39:29. (1925)
Viola sacraricola Nakai Published in: Bot. Mag. (Tokyo) 42:561. (1928)
Viola tanakaeana Makino Published in: Bot. Mag. (Tokyo) 17:86. (1903)
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由来 | violacea : 紫紅色の、菫色の makinoi : 人名由来、植物学者の牧野富太郎博士 | |
外語一般名 | 【中】紫背堇菜、【韓】자주잎제비꽃 | |
茎の形態 | 無茎種 | |
生育環境 | 山地の明るく乾燥気味の林下を好む。 | |
分布 | 国内 | 本州、四国、九州に分布。東日本では稀だが、西日本では個体数が多い。 |
海外 | 朝鮮半島南部。 | |
補足 | 関東や東北地方で見られる個体群がシハイスミレと同定されることがある。 | |
花の特徴 | 形状 | 中輪。変異が多い。通常、側弁は無毛。 |
色 | 淡い紫色から紅紫色。花茎が赤いものが多い。 | |
距 | 長めの円筒状で、先が上に曲がるものが多い。色は白から紫色。 | |
花期 | 普通。 | |
花柱 | カマキリの頭形。 | |
芳香 | あり。 | |
補足 | 萼片は披針形、付属体は丸く、通常は全縁。 | |
葉の特徴 | 形状 | 三角状狭卵型(長卵形、披針形)。やや厚め。基部は深めに湾入する心形。 |
色 | 表面は光沢のある深緑色が多く、稀に白斑が見られる。裏面は紫色を帯びる。 | |
補足 | 葉柄は斜めに伸びる。無毛。疎らに毛が見られることがある。 | |
種の特徴 | 形状 | |
色 | ||
補足 | 球形に近い倒卵形。 | |
根の特徴 | ||
絶滅危惧情報 |
シハイスミレ:宮城県:絶滅危惧Ⅱ類、山形県:絶滅危惧Ⅱ類、新潟県:地域個体群、群馬県:絶滅危惧Ⅰ類、東京都:準絶滅危惧種、鹿児島県:絶滅危惧Ⅱ類 シナノスミレ:長野県:絶滅危惧Ⅰ類 |
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基準標本 |
シハイスミレ : 越後、伊豆、近江、大和、紀伊、阿波、土佐 (以下、京都大学収蔵) フイリシハイスミレ : 兵庫県佐用郡佐用町 船越山 1965.5.5 by K. Utsumi アカバナシハイスミレ : 大分県由布市湯布院町 塚原温泉 1963.4.27 by E.Hama コンピラスミレ : 香川県仲多度郡琴平町 象頭山 1948 by M. Honda フイリシナノスミレ : 長野県木曽郡 神坂 1965.5.18 by H. Okuhara [注] 神坂は現在の岐阜県中津川市に含まれる可能性がある(越境合併のため) |
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染色体数 | 2n=24 | |
参考情報 | スミレ属ミヤマスミレ亜節(スミレ科)の系統と多様化に関する研究 (山形大学)吉田政敬氏 | |
その他 |
葉の裏面が紫色を帯びることが「紫背」という名の由来とされる。 変種のマキノスミレとの特徴的な違いとして、花を斜めに展開する点が挙げられる。 多様な変異があり、同定が難しいもののひとつ。 ハグロシハイスミレ(俗称:褐色の葉を持つ、岐阜県から岡山県近辺の山地で見られる) |