基本種 ヒトツバエゾスミレ 国内水平分布 English
ナルカミスミレ [エイザンスミレの変種ヒトツバエゾスミレの品種] (鳴神菫)
ナルカミスミレ
神奈川県 2008年3月23日 植栽
ナルカミスミレ ナルカミスミレ
神奈川県 2009年3月20日 植栽 神奈川県 2008年3月23日 植栽
ナルカミスミレ
神奈川県 2009年3月20日 植栽
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ナルカミスミレ
ナルカミスミレ ナルカミスミレ
ナルカミスミレ ナルカミスミレ
群馬県桐生市 2009年5月3日 鳴神山
分類 ミヤマスミレ類
茎の形態 無茎種
生育環境 山地のやや暗く湿り気味の西側斜面、林下を好む。
分布 【母種】青森県から九州の霧島まで分布する。太平洋側に多い。日本特産。
【本種】栃木県、群馬県などの北関東、長野県北部、(ヒトツバエゾスミレは更に四国)。
花の特徴 色が白いことを除いて、基本的に母種と変わらない。
葉の特徴 一枚にまとまった構造(単葉化)はヒトツバエゾスミレと変わらない。
花柱の頭 カマキリの頭形。
学名 ナルカミスミレ Viola eizanensis Makino var. simplicifolia Makino f. leucantha Hiyama
染色体数 2n=24
基準標本 群馬県 鳴神山 1952 (京都大学収蔵)
その他 群馬県の鳴神山で初めて発見された。
純白に限定されない「白い花」なので、ヒトツバエゾスミレとの境界は主観的(異論有り)。
 アカネスミレの白花品種がコボトケスミレと呼ばれるケースに良く似ていると言えます。ただ、ナルカミスミレの場合は、エイザンスミレの変種であるヒトツバエゾスミレの品種という、ちょっと複雑な関係ではあります。因みに、エイザンスミレには別にシロバナエゾスミレという単葉ではない白花品種があります。
 純白種とも呼ばれる白変種HELP!を展示会で撮影させていただきました。どうやら、このような個体は稀有な例で、いわゆる準白種などと呼ばれている白花品種の方が多いことは容易に想像できますが、どちらもナルカミスミレと呼んで良いと知って安心しました。ただ、以前、鳴神山の一角で見たことがあるヒトツバエゾスミレは淡紅色でしたが、色がもう少し薄かったら・・・、距HELP!に紫色が残っていたら・・・、そんな困った存在なのかも知れません。
 一方で、ナルカミスミレには厳密な定義があって、あくまでも白っぽいのはヒトツバエゾスミレとする強い意見もあります。学名がある以上はタイプ標本があり、乾燥標本では微妙な色の違いまでは分からないでしょうが、それがどんなものであったかが分かれば、このように意見が分かれることはないはずです。ただ、あくまでも学術的な都合?ですからね。関係者が手順に従って「発表」する以前から、そこにナルカミスミレは存在した訳であって、地元の方がどのように呼んでいたのかな~、と、妙な方向で興味津々だったりします。(=^_^=)
 蛇足ながら、浜栄助氏WHO!の「原色日本のスミレ*(出典) 」ではナルカミスミレの項に白変種に限定するような表現はされず、敢えてヒトツバエゾスミレの花色が「連続的」である旨が記されています。
2008/08/21
 鳴神山の限られた一角にヒトツバエゾスミレの白変種、つまり、純白のナルカミスミレが自生しているそうです。2008年の写真のような極めて美しい個体だと良いですね。ところで、この美しい個体ですが、おそらく、ヒトツバエゾスミレとシロバナエゾスミレを交配(系統間交配)して選別した個体の子孫だろうと思われます。
2008/08/24
 複数の主要なすみれ愛好団体が発行する「すみれニュース90号(2001年発行)」にヒトツバエゾスミレとシロバナエゾスミレを交配(系統間交配)して選別した話が記載されていました。交配3代目で分離して青軸系が見られ、開花して紫条がないことを確認したそうです。写真の花が直系か否かは分かりませんが、形態は安定しているとのことですので、流通しているだろうと推測できますね。
2008/10/17

 今年、すみれ好きさんから「桐生タイムス」の記事についてお知らせいただきました。1994年5月4日(火)の一面筆頭に『ナルカミスミレ発見』の大きな見出しが踊っています。「鳴神山の妖精」、「完全な白花」という副題も目を引きます。同紙の蓑崎昭子記者による、いわゆる「署名原稿」です。同記者は、桐生を中心に地域文化や産業に関わる記事を多く執筆しておられることが分かります。
 ただ、内容的には納得できない部分があると思われます。元来、個人について個人のホームページで評価するようなことは避けたいところですが、公器である新聞の署名記事、すなわち、文責を持ってベテラン記者が投稿した訳ですから、その内容には相応の責任があると考えまして、悩みながらも、事実を伝えたいと思うものです。
 記事の冒頭から骨子を引用しますと、

 幻のスミレだった「ナルカミスミレ」が、このほど発見された。 鳴神山で見つけられたヒトツバエゾスミレの白花品に与えられた名がナルカミスミレだが、これまで完全な白花の記録がなかったうえに、今回の発見個体は軸も透きとおるような緑一色で、純白花をつけていた。 この発見で、ナルカミスミレはヒトツバエゾスミレのアルビノの一種であることが、はっきりと定義づけられたことになる。(引用元は前述)
 というものです。

 この記事を読まれて、多くの方が結びの言葉である『はっきりと定義づけられたことになる』の意味がよく分からないと感じたことでしょう。
 『軸も透きとおるような緑一色で、純白花をつけていた』訳ですから、間違いなく白変種ということが分かります。白変種は多くの植物でも見つかり、すみれの仲間ではどの種でも比較的普通に見られます。長い観察の歴史で『完全な白花の記録がなかった』とは事実でしょうか。また、『アルビノの一種』という表現が出てきますが、生物学用語である『アルビノ』に複数の意味はないと思われます。基本的なことですが、アルビノならば植物では葉緑素の生成が阻害されますので、腐生植物でもない限り、発芽から短い期間で死滅してしまいます。
 いずれにしても、記事の各部分は概ね間違っていませんが、白変種が見つかったことと、変種や品種の定義とは何ら関連がなく、この記事の結論は曖昧模糊として意味が分からなくなっています。
 一般に記者は綿密なヒアリングをして、可能な裏付け調査をして出稿記事を練り上げます。この記事もそうなのだろうと思います。ただ、ヒアリングをした相手に原稿を確認してもらうことは滅多にありません。私的な少ない経験で断じようとは思いませんが、昔、「入稿前に原稿を見せて下さい」とお願いして「検閲しようというのですか!」と強く問い返されたことが何度かありました。単なる一般論ですが、執筆のプロが嫌う行為なのでしょうね。ただ、非常に専門的な内容を含む記事に関しては、そのような意地をはっている場合ではないと思うのですが、いかがなものでしょうか。

 後半に、ちょっと気になる記述が出て来ますので、追加引用すると、

 スミレは雑種交配(*注:「交雑」の誤用と推測)が多く、ヒトツバエゾスミレはエイザンスミレとヒナスミレ(?)の自然交配と推定され、~(略)~ナルカミスミレはその中で、発見状況からみても比較的近年に生み出されたものと考えられる。
 ここでヒトツバエゾスミレ自体について雑種起源との推定が登場しています。これは興味深い部分です。
2013/07/04
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ナルカミスミレ
群馬県桐生市 2009年5月3日 鳴神山
 意を決して、日帰りで鳴神山へ行ってきました。ここは千葉方面から出掛けますと、高速道路を使うことができなくて、実際の距離の割には時間が掛る位置にあります。機動性の高い二輪で出掛けたのですが、往路は食事の時間を含めて5時間弱も掛ってしまいました。ただし、帰路は3時間強でしたので、多少無駄もあったようです。何とか到着して登り始めた頃、既に下りてくる方が増える時間帯でした。ありがたいことに、比較的低い位置でも多くの個体が観察できました。上に並んでいる葉は全てヒトツバエゾスミレのようですが、とても不思議なものです。ところで、最も大きい葉ですが、全ての葉が大きくて一般的な形態をしていました。自然交雑種かも知れません。
2009/05/26

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