美しい ガーデン・パンジー いろいろ
千葉県 2009年12月12日 全て植栽
千葉県 2006年5月20日
栽培 ![](../images/spacer.gif)
山梨県 2002年4月27日
栽培
千葉県 2006年3月4日
栽培 ![](../images/spacer.gif)
千葉県 2007年5月5日
栽培
東京都 2006年4月7日
栽培 ![](../images/spacer.gif)
千葉県 2008年2月20日
栽培
千葉県 2008年11月13日
栽培 ![](../images/spacer.gif)
千葉県 2006年11月3日
栽培
東京都 2005年4月2日
栽培 ![](../images/spacer.gif)
神奈川県 2010年3月19日
栽培
千葉県 2007年5月5日 栽培
分類 |
Melanium類(節)、パンジー類(節) |
学名 |
基本種 (候補) |
Viola x wittrockiana Gams.
Viola x williamsii Wittrock
Viola x wittrockiana Hort. ex Gams.
Viola tricolor var. hortensis (非推奨名)
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変種 |
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品種 |
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異名 |
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由来 |
wittrockiana : Veit Brecher Wittrock(1839-1914、スウェーデンの植物学者)に由来
hortensis : 園芸種の
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外語一般名 |
【英】heartsease, Ladies Delight, Stepmother's Flower, cuckoo's heel, Wittrock's Violet 【日】胡蝶草、遊蝶花、(三色菫) |
茎の形態 |
有茎種 |
生育環境 |
山地のやや暗く湿り気味の西側斜面、林下を好む。 |
分布 |
国内 |
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海外 |
欧州広域。 |
補足 |
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花の特徴 |
形状 |
中輪から大輪。 |
色 |
多彩(紫、紅、青、白、黄、橙、赤など)で、濃淡もあり、濃青は「黒」っぽく見える。 |
距 |
極めて小さい。 |
花期 |
秋口から冬、春、そして初夏まで(耐寒性があるが、元来は春に咲く植物)。 |
花柱 |
正面から見ても見えない程、極めて小さい。 |
芳香 |
稀に芳香あり(芳香性があるものには黄色い花が多い)。 |
補足 |
花びらの中心部にブロッチと呼ばれる紋様が入るものがある。 |
葉の特徴 |
形状 |
楕円形。 |
色 |
両面とも濃い緑色。 |
補足 |
一般に大きめの托葉がある。 |
種の特徴 |
形状 |
倒卵形。へその方へ尖る。小から中粒。 |
色 |
種子:淡褐から濃茶褐色。光沢がある。 |
補足 |
閉鎖花を作らない。 |
根の特徴 |
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絶滅危惧情報 |
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基準標本 |
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染色体数 |
2n=49から55 (下記に補足説明あり) |
参考情報 |
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その他 |
ビオラ・アルベンシス ROKA BLOG |
発芽温度15~20℃。
「パンジー」は欧州に自生する多くの野生種たちを指し示す言葉で、"pansy"はフランス語の"pensée"(もの思い)に由来する。
学名についてViola x wittrockiana Hort. ex Gams.と表現されている資料もある。
注:上記の "Hort. ex" は「園芸種の仮称」であることを意味している
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左:グリーティング郵便切手(シール式) (1997/03/13発行)
右:日本国際切手展2001 (2005/07/22発行)
海外ではパンジーの切手がたくさん発行されている
* (総務省|郵政事業サイトより)
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パンジー・ヴィオラ・宿根スミレ
日本の園芸の世界には、すみれを「パンジーとヴィオラ、宿根スミレ」に区分する不思議な考え方が存在しています。ご存知でしたか。
分類学に照らしてみると困惑してしまうような理解の内容ですが、現在でも歴然として書籍に記載され、webサイトで説明されていて、とても不思議な印象です。この場合の宿根スミレとは、主にニオイスミレや外来の園芸種を指し示すようです。
スミレ科は大きな体系を持っていて、多くの方がおそらく見たこともない姿の仲間もあります。そしてヴィオラ( Viola )とはスミレ科スミレ属というグループを意味するラテン語です。元来、パンジーは主に Viola (スミレ属)の Melanium (パンジー類/節)という小さな単位グループに分類される野生のすみれたちを指し示す言葉です。蛇足ですが、基本的にスミレ属はパンジーを含めて多年草、つまり宿根草です(注:日本の一般的な環境では越年草的な生活をする)。
八重咲きパンジー 'フェアリーワルツ' 千葉県 2019年11月17日 栽培
パンジー、昔は一般に「三色スミレ」と呼ばれていました。基本的には、日本の一般的なすみれとは少し違うグループですが、結構好きなんです(スミレ科スミレ属までは同じです)。バラエティに富んでいて、実にきれいですよね。園芸植物としては相当優れた逸品だと思います。正確には、 Viola tricolor と Viola calcarata 等の交配により産まれた園芸種と考えられていますので、「三色スミレ」と呼んではいけないのかもしれませんね。交配親は主にアルプスなどの高原に自生するすみれ達です。
丁寧に品種の名称が記載されていた個体は問題ないのですが、町で見かけたものは資料を探して分かる範囲で記載しました。ちょっとアヤシイものもあります。
ところで、俗に言うパンジーとヴィオラはどう違うのでしょうか。どうやら、全体の大きいものがパンジーで、小柄なものがヴィオラと呼ばれています。ただし、交配が可能なので、その意味でも境界は不確定とみられます(以前、染色体数の違いと記載していましたが、正確な情報ではなかったようです)。
切手の情報:おもてなしの花シリーズ(シール式)第4集 (2015/07/31発行)
2004/02/28
園芸店では「一年草」または「耐寒性一年草」と表示されていることが多いのですが、本来は「多年草」です。交配親の自生地特性から日本の高温多湿な夏を越すことができないため、結果的に一年草(または越年草)的な運用をせざるを得ないと理解するべきだろうと思います。一部、「2年草」という表現がある有名辞書サイトがあるのですが、内容を見てみますと、秋蒔き1年草(越年草)のパターンを説明しているようでした。僭越ではあったのですが、検討を具申してみました(現状は確認していません)。
2006/01/25, 2006/01/30
パンジーの交配親である Melanium 類(節)は約75種で構成されています。染色体数については、かなりのバラツキがあるようです。閉鎖花
を作らない等、一般のすみれのイメージとは異なる性質を持っていますが、 Melanium 類だけが別扱いにされる一種の偏見があるだけで近縁な仲間です。因みに、分類の方法は複数ありますが、日本に自生する多くのすみれが含まれているのが Viola 類で、キバナノコマノツメは Biflorae 類、シレトコスミレは Kitaminium 類とされることがあります。
2006/01/28
パンジーの学名は Viola tricolor var. hortensis と記載されることがあります。国内外ともに、むしろ、多いかも知れません。 Viola tricolor (いわゆるサンシキスミレ)の変種という意味になります。確かに中核となった種ですが、とても複雑な交雑に対して、この表現は相当無理があるように思いませんか。このように考える方が多いためか、 Viola x wittrockiana という表現が使われるようになりました。因みに、サカタのタネ(種苗会社)は Viola x williamsii という表現を使っています。
2006/01/31
パンジーの染色体数にはバラつきがあり、ある調査では2n=49から2n=55まで観察され、幾つかの減数分裂異常が見られたという報告があるそうです。
2008/07/20
パンジーの名称等の一部に少し耳慣れない言葉が使われています。一部ですが、解説してみましょう。
1) |
「ピコティー」 |
花弁の外側が、基本色とは別の色で縁どりされている |
2) |
「シェード」 |
花弁の色の構成で、中心が濃くて外側にいくほど淡い |
3) |
「L.R.」 |
種苗会社Sが命名した低温に強い品種 (Long Run Series) |
4) |
「ブロッチ」 |
花(または花弁)中央部分の色が濃くなった部分 |
小さめのパンジーに限定して、主に日本の園芸の世界では俗に「ヴィオラ」と呼ばれていることをご存知かと思います。一方、この呼称は範囲の広い「属(スミレ属)」の名称であり、使い方として普遍的ではないので、お奨めとは言えません。はっきり申し上げれば「とても変な呼称」です。タフテッド・パンジーとか、ミニ・パンジーの方がどこでも通用する上、表現としてもすっきりすると思うのですが、なぜ「ヴィオラ」で定着してしまったのでしょうね?
2006/02/05
花が多く小さめのパンジーを「ヴィオラ」と呼ぶ慣例が、園芸の世界だけで通用する表現だと知った後は、単に「パンジー」または「ガーデン・パンジー」と呼ぶことにしています。
2008/03/09
「パンジー」と「ヴィオラ」の中間サイズのグループを「パノラ」と呼ぶという情報がありました。「パンジー」や「ヴィオラ」という言葉自体の定義を確認せずに曖昧に使用している環境で、更に「パノラ」という言葉が生まれる理由や必要性があるのでしょうか。
この新しい言葉はダジャレの世界かも知れません。おそらく、pansy + viola --> panola ということですよね。言葉というものは、正しいか否か、よりも、多く使われるか否かによって決まる面があります。間違って使われても、圧倒的多数が間違えていたら通用してしまう訳ですね。ただし、この「パノラ」という言葉が浸透するかについては甚だ疑問です。^^
もう一歩踏み込むと、Panola で検索をされれば分かりますが、TMマークが付いています。つまり、トレードマーク(商標:PanAmerican Seed、米イリノイ州)なのですね。ところが、パンジー・パノラ・ビオラという区分名があるかのような表現をしたブログの内容が伝言ゲーム的に曲がって拡散中!と理解すれば良さそうです。浸透はしなくても、このブログは消えることも修正されることもないのでしょうから、もう少し拡散が進むかも知れないと想うと残念な気持ちになります。
切り花の用途に向けて改良された園芸品種群が流通しています。ブーケとして利用しやすいように、しっかりした茎が長く伸びるもので、花の少ない時期に花瓶を彩る用途です。魅力的な取り組みですね。
2016/11/08
パンジーの色合いや形質に影響を与えた主な種について列挙してみます
1) |
Viola tricolor |
基本となったサンシキスミレ(三色すみれ)、英国で野生種が園芸化 |
2) |
Viola cornuta, calcarata, altaica |
ピレネー地方の小輪で多花性の種と交配が進む |
3) |
Viola lutea |
英国の山地に咲く黄色いパンジーの仲間により、花色に黄色が加わった |
4) |
Viola arvensis |
強靭な這い性種も交配親に加わり、耐暑性も獲得しつつある |