イトザクラ[桜]
/シダレザクラ[桜](枝垂桜)
(糸桜、バラ科)---
Cerasus spachiana
f.
ascendance
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調布市の神代植物公園では多くの桜を見ることができます。その中にイトザクラ(糸桜)またはシダレザクラ(枝垂桜)がありました。
学名を見ても分かりますが、エドヒガンの枝が早く伸びて下向きに垂れる品種ということになります。花びらは普通の5枚。花の色合いなどは少し変化があり、白っぽいものから紅色が強いものまで見られるそうです。特に紅色が強い型がベニシダレ(紅枝垂)、更に八重咲きになった型はヤエベニシダレ(八重紅枝垂)と呼ばれます。
撮影 : 東京都調布市(神代植物公園) 2005年4月2日
科 |
バラ科 |
属 |
サクラ属 |
分類体系 |
APG |
属性(生活型) |
落葉高木 |
標準和名 |
イトザクラ |
漢字表記 |
糸桜 |
学名/栽培品種名 |
Cerasus spachiana f. ascendance または Prunus spachiana f. spachiana |
RDB |
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花期 |
春:3~4月 |
結実期 |
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原産地 |
日本 |
備考 |
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国内分布 |
各地に植えられている。 |
自生環境 |
エドヒガン(江戸彼岸)の栽培品種。 |
補 足 |
幾つかの学名表現がある。シダレザクラ(枝垂桜)という呼称の方が一般には馴染みがある。寿命が長く、各地で巨木が知られる。 |
花は小さめながら、品のある姿をしています。
東京都調布市(神代植物公園)2005年4月2日
[ヤエベニシダレ] 薄紅色の八重咲き品種、花数が多くて見栄えが良いと思います。
千葉県千葉市(泉公園) 2005年4月9日
東京都豊島区 2019年4月13日
[ヒトエベニシダレ] 薄紅色の品種、敢えて、「一重紅枝垂」と表現されている事情はよく分かりません。
東京都台東区 2023年3月20日
古い時代から栽培されており、平安時代には既に記録があるそうです。小さめの花を多く咲かせるので、盆栽などにも利用されています。寿命は長い種なので、各地に巨木があり、有名になっているようです(例:盛岡の石割桜)。
この学名にも幾つかの表現が見られますが、過渡期なのでしょうか。仕方がないので併記します。
Prunus pendula
Prunus spachiana f. ascendance
Prunus spachiana 'Pendula'
Cerasus spachiana f. spachiana
* 属名が異なっています。後者は新しい分類体系に基づく表現ですが、まだ確定的な支持を得ている訳ではなさそうです。