ヒメスミレ (姫菫) [別名:ナガサキスミレ、ニョライスミレ、アイスミレ(稀)]
ヒメスミレ
茨城県つくば市 2006年4月15日
ヒメスミレ ヒメスミレ
東京都 2008年3月27日 植栽
ヒメスミレ ヒメスミレ
千葉県佐倉市 2011年4月16日
分類 ミヤマスミレ類
学名 基本種 Viola inconspicua Blume Published in: Blume. (1825). In: Bijdr. Fl. Ned. Ind. 2: 58
亜種 Viola inconspicua ssp. nagasakiensis (W. Becker) J.C.Wang et T.C.Huang Published in: Taiwania 35: 41 (1990)
変種
品種 ウスイロヒメスミレ Viola inconspicua ssp. nagasakiensis f. albescens (Taken.) Yonek.
異名
Viola confusa Champ. ex Benth. ssp. nagasakiensis (W. Becker) F.Maek. et Hashim.
Viola betonicifolia var. oblongosagittata (Nakai) F.Maek. & T.Hashim.
Viola minor (Makino) Makino
Viola chinensis G. Don
Viola philippica ssp.malesica W. Becker
その他、多数の異名が認められる
由来 inconspicua : ,nagasakiensis : 長崎の, Viola minor : より小さい
外語一般名 【中】长萼堇菜 (chang e jin cai)
茎の形態 無茎種
生育環境 人家周辺の道端等、明るく乾燥気味の場所で見られることが多いが、寒冷地では見られない。アスファルトの隙間から顔を出すような姿が繁く見られ、乾燥に強く、丈夫。
分布 国内 秋田以南に広く分布するが、標高500m以下が目安で内陸部では余り見られない。
海外 中国、台湾、フィリピン、ベトナム、インド、ミャンマー、マレーシア、ニューギニア
補足
花の特徴 形状 小輪から中輪。側弁の基部には短い毛がある。
濃紫色でスミレに似ているが少し細長い印象がある。唇弁と側弁に紫条が入る。
円筒形で短い。
花期 普通。
花柱 逆三角形。
芳香 微香がある。
補足
葉の特徴 形状 長三角(または楕円)状披針形HELP!
表面は濃いめの(暗い)緑色で軽く光沢がある。裏面は紫色を帯びるものがある。
補足 葉柄には翼HELP! がない(上方の一部に翼が見られることがある)。両面とも無毛。
種の特徴 形状 倒卵形。小粒。
淡褐色から黒褐色。
補足 果実一つ当たり、30~40個程度。
根の特徴 根は白く太い。
絶滅危惧情報 鹿児島県:準絶滅危惧種
基準標本 中国南部。
染色体数 2n= 48 (24, 72)
参考情報
その他 全体にスミレより小型ではあるが、長さ8cm程度の個体もある。
ツクシヒメスミレ等の品種に区分されることもあるが、ここでは別名として扱う。
夏場に根腐れを起こしやすいので、種子による更新を確実に行いたい。
 独立種(Viola minor)とする説もあるとのことですが、文献ではタイワンコスミレ(Viola confusa)の亜種HELP!とする記述が多いようでした。
1999/10/18
 上記の学名欄を修正しました。幾つかの資料を再検討して、標準名(Viola inconspicua)、別名(Viola confusa)と記載しておきます。実際、日本の文献では後者を記載するケースが多いのですが、Taiwania 35: 41 (1990) の記載に従うことにしました。ただ、台湾のサイトでは、前者を「小菫菜」、後者を「短毛菫菜」と呼び、全く別種として扱っています。写真を見る限り、前者は大柄なヒメスミレで、後者はコスミレに似ていますね。
2008/07/22
 2年前のすみれ展示会で「ヒメスミレ たづ姫」と記載されていた鉢を複数見掛けました。一部は下欄の 2006/04/17 を参照して下さい。一方、「写真集 日本のすみれ(出典:S002) 」に中尾田鶴子氏が(*九州で)見つけたシロバナケヒメスミレという写真が(f. leucantha)として掲載されています。「たづ姫」とは「田鶴子さんが見つけたヒメスミレ」なのでしょうか。まぁ、偶然ではないような気がしますね。
2008/07/22

ヒメスミレ ヒメスミレ ヒメスミレ
2000年4月1日(左2枚) 千葉県船橋市 (右端のみ)2000年9月16日
スミレに似るが、全体に小さく、葉の形状もかなり異なる。駐車場入口の路肩の隙間にギュウギュウ状態で咲いていた。
 秋に訪れると、実生と思われる若い個体群が見られました(左)。花期の葉とイメージが異なるところが、おもしろいですね。
2000/09/16

ヒメスミレ ヒメスミレ ヒメスミレ
千葉県佐倉市 2003年4月12日 千葉県佐倉市 2010年3月27日 神奈川県津久井郡 2001年4月8日
雨が降り出して帰ろうとした時、石畳の隙間にヒメスミレを見つけた。とにかく、狭いところが好き。

ヒメスミレ ヒメスミレ
東京都豊島区 2000年4月12日

ヒメスミレ
神奈川県 2008年3月23日 植栽
ヒメスミレ
愛知県 2008年4月5日 植栽 たづ姫(熊本で見つけられた色変わり品)とみられる

(つぶやきの棚)徒然草

 (1999/10/18) Latest Update 2024/08/06 [555KB]

ページのトップへ戻る