石川のすみれ各地のすみれ

 想像していた通り、石川県におけるすみれの分布状況は、先に編集が終わっていた福井県に良く似ています。希少種の例で説明すれば分かりやすいと思いますが、海岸性植物のイソスミレとアナアマスミレがセットで見られる点、それから、比較的に高い山地に自生するツルタチツボスミレが記録されている点だけを見ても、環境的に相似点が多いのだろうと思います。ホソイスミレも同様ですが、この書籍では補足説明として「葉が厚く、距が長い」と付記されていました。特徴として「葉身が三角形」とする説明がほとんどであり、葉や距の特徴を述べた書籍は初めて目にしましたので、不思議に感じたものです。
 さて、ツルタチツボスミレの学名はViola faurieana var. rhizomata が使われていますが、マジョリティとしてはViola grypoceras var. rhizomata というタチツボスミレの変種という位置づけが多かったのです。ただし、近年は Viola rhizomata という表現、即ち、独立した別種として扱われています。因みにイソスミレですが、学名はViola senamiennsis が使われていて、一方、和名はセナミスミレではなくイソスミレと記載されていました。
(2008/08/16)

# 品種または変種 自生確認 参考資料 補足
1) アカネスミレ     (A)    
2)   オカスミレ   (A)    
3) アリアケスミレ     (A)    
4) ウスバスミレ     (A)    
5) コスミレ     (A)    
6) (シハイスミレ) マキノスミレ   (A)    
7) スミレ     (A)    
8)   アナマスミレ (A)   海岸性植物
9) スミレサイシン     (A)   シロバナスミレサイシン
10) ナンザンスミレ ヒゴスミレ   (A)    
11) ノジスミレ     (A)    
12) ヒメスミレ     (A)    
13) フモトスミレ     (A)    
14) ミヤマスミレ     (A)    
# 品種または変種 自生確認 参考資料 補足
15) アオイスミレ     (A)    
16) イソスミレ   (A)   海岸性植物
17) オオタチツボスミレ   (A)   シロバナオオタチツボスミレ
18) オオバキスミレ     (A)    
19)   ミヤマキスミレ        
20) キバナノコマノツメ     (A)    
21) タチツボスミレ     (A)    
22)   コタチツボスミレ   (A)    
23)   シロバナタチツボスミレ   (A)   (白変種)
24)   ホソイスミレ   (A)    
25) ツルタチツボスミレ     (A)    
26) ナガハシスミレ     (A)    
27) ニオイタチツボスミレ     (A)    
28) ニョイスミレ     (A)   (ツボスミレと記載)
29)   アギスミレ   (A)    
30)   ミヤマツボスミレ   (A)    

記号 参考資料 著者、編者 発行/出版 発行
(A) 石川県植物誌 石川の植物の会 石川県 1983年3月30日

気温グラフ 降水量グラフ
【参考:気象統計情報】 金沢市の例 (総務省統計局資料を利用)

各地のすみれ 掲載種について
 「各地のすみれ」に掲載しております自生種などの情報は、ご覧いただければ一目瞭然ですが、収集した植物誌など、参考資料の記載内容を紹介しているものです。こうした参考資料は、一般に、県や市などの地方自治体や教育機関、地方の博物館や植物学会、研究団体(個人を含む)などが情報収集の上、編集したケースが多いと認識されます。
 それらの参考資料が編集された時期、目的や経緯、情報収集や編集をされた方々の属性はいろいろですので、一貫性は期待できません。また、ご承知の通り、植物分類学の世界でも学術的知見が変わり続けていますので、編纂時期によって種の名称や表現が変わっているのは、むしろ、当然と言えます。
 編集者の属性も千差万別であり、正直なところ「ちょっと怪しい」情報も、まぁまぁ存在しています。スミレ科に関する限り、このサイトに訪問されている方々の方が、よりディープな知識をお持ちである場合も多いことでしょう。
 「ちょっと怪しい」を超えて、「明らかに外来種である」とか、「これは歴史的に変更された事実がある」、もしくは「単純ミス」などというケースに対しては、それなりの注釈を付けています。
 こうした状況を踏まえて、ご意見や情報をいただくこともありますが、全く踏まえていただけず(笑)、『間違いが多いから直せ』といったアドバイスをいただくこともありました。しかしながら、これらの情報は、日本に植物分類学が定着を始めた頃から現在に至る、歴史的側面を含む「記載事実」ですから、皆様からの投稿で作り変えるといった性質もしくは対象ではありませんね。それは、明らかに編者各位にも歴史に対しても失礼な態度ではないでしょうか。
 現在、私たちが持っている知識は、こうした試行錯誤も含む歴史の積み重ねの上に成り立っているものです。その知識でさえ、来年には変わってしまうかも知れません。悪しからず、ご了承いただくべき性質だと考えて、簡単な補足を施させていただくものです。ぜひ、ご理解下さい。
(2008/08/16) Latest Update 2015/09/23 [80KB] TOP

あなたは2001年2月25日から Counter 人目です。 Thank you ! (^^*) © 2001-2018 NYAN All Rights Reserved
TOP !