岐阜のすみれ
 なかなか岐阜県全体に関わる植物資料が見つからないのですが、飛騨地方限定の書籍を見つけて参考にしました。つい、個人的に購入しようかと思ってしまうような内容でしたが、とりあえず、必要な情報をメモってきました。
 なんと手元資料に適切なものがありました。平成14年に美濃加茂市民ミュージアム企画展示室で行われた企画展「スミレはスミレ展」の資料の一つで、「みのかものスミレ」という2種類の資料のうち、モノクロの資料に挟まれていたA4版ペラ1枚の資料です。「スミレはスミレ展」展示目録(乾燥標本)という標題が付いていますが、その中から外来種を除外して記載しました。乾燥標本がある資料という見方をすれば、十分に確実性を持った資料に違いありません。
 「岐阜県植物研究会誌」にはフイリゲンジスミレの記載があったが保留にしている。ニオイスミレ、サンシキスミレは外来種として説明されているが、フイリゲンジスミレについては、特に補足がないようだ。
(2009/19/19)


種(無茎) 品種または変種 参考資料 補足
アカネスミレ B) C)
アケボノスミレ A) B) C)
アリアケスミレ B) C)
ウスバスミレ B) C)
エイザンスミレ A) B) C)
コスミレ A) B) C)
コミヤマスミレ C)
サクラスミレ A) B) C) 稀 
シロスミレ C)
シコクスミレ B) C)
スミレ B) C)
シハイスミレ B) C)
マキノスミレ B) C)
スミレサイシン A) B) C)
ナガバノスミレサイシン A) B) C) シロバナナガバノスミレサイシン
ナンザンスミレヒゴスミレ A) B) C)
ノジスミレ B) C)
ヒカゲスミレ B) C)
ヒメスミレ A) B) C)
ヒメミヤマスミレ B) C)
フジスミレヒナスミレ A) B) C) フイリヒナスミレ(稀) 
フモトスミレ B) C)
マルバスミレ B) C)
ミヤマスミレ B)
種(有茎) 品種または変種 参考資料 補足
アオイスミレ B) C)
イブキスミレ B) C)
オオタチツボスミレ B) C)
エゾノタチツボスミレ B) C)
オオバキスミレ A) B) C)
ミヤマキスミレ B) C)
キバナノコマノツメ B) C)
タカネスミレ B)
クモマスミレ C)
タチツボスミレ B) C) ケタチツボスミレ
アカフタチツボスミレ C)
オトメスミレ A) C)
ケイリュウタチツボスミレ B) C)
コタチツボスミレ B) C)
シロバナタチツボスミレ C)
ツルタチツボスミレ B) C)
テリハタチツボスミレ B)
ナガハシスミレ A)
ナガバノタチツボスミレ A) B)
ニオイタチツボスミレ B) C) ケナシニオイタチツボスミレ
ニョイスミレ B) C)
アギスミレ B) C)
ムラサキコマノツメ A)
ヒメアギスミレ B) C)
ミヤマツボスミレ B) C)
種(自然交雑) 参考資料 補足
スワタチツボスミレ C) タチツボスミレ x エゾノタチツボスミレ
マキノヒナミレ C) ヒナスミレ x マキノスミレ
マルバタチツボスミレ C) ニオイタチツボスミレ x タチツボスミレ
ムラカミタチツボスミレ C) オオタチツボスミレ x タチツボスミレ
種(自然交雑 無名) 参考資料 補足

変種や品種については主要なもののみを選びました。

記号 参考資料 著者、編者 発行/出版 発行
A) 飛騨地方の山野草 春から初夏へ 奥原豊一(写真)、寺島浩一(監修、解説) 飛騨山野草愛好会 2000年9月30日
B) 「スミレはスミレ展」展示目録(乾燥標本) 美濃加茂市民ミュージアム 美濃加茂市民ミュージアム 2002年4月
C) 岐阜県植物研究会誌 岐阜県植物研究会山崎玲子 岐阜県植物研究会 2007年12月

気温グラフ 降水量グラフ
【参考:気象統計情報】 岐阜市の例 (総務省統計局資料を利用)

各地のすみれ 掲載種について

 「各地のすみれ」に掲載しております自生種などの情報は、ご覧いただければ一目瞭然ですが、収集した植物誌など、参考資料の記載内容を紹介しているものです。こうした参考資料は、一般に、県や市などの地方自治体や教育機関、地方の博物館や植物学会、研究団体(個人を含む)などが情報収集の上、編集したケースが多いと認識されます。

 それらの参考資料が編集された時期、目的や経緯、情報収集や編集をされた方々の属性はいろいろですので、一貫性は期待できません。また、ご承知の通り、植物分類学の世界でも学術的知見が変わり続けていますので、編纂時期によって種の名称や表現が変わっているのは、むしろ、当然と言えます。
 編集者の属性も千差万別であり、正直なところ「ちょっと怪しい」情報も、まぁまぁ存在しています。スミレ科に関する限り、このサイトに訪問されている方々の方が、よりディープな知識をお持ちである場合も多いことでしょう。

 「ちょっと怪しい」を超えて、「明らかに外来種である」とか、「これは歴史的に変更された事実がある」、もしくは「単純ミス」などというケースに対しては、それなりの注釈を付けています。
 こうした状況を踏まえて、ご意見や情報をいただくこともありますが、全く踏まえていただけず(笑)、『間違いが多いから直せ』といったアドバイスをいただくこともありました。しかしながら、これらの情報は、日本に植物分類学が定着を始めた頃から現在に至る、歴史的側面を含む「記載事実」ですから、皆様からの投稿で作り変えるといった性質もしくは対象ではありませんね。それは、明らかに編者各位にも歴史に対しても失礼な態度ではないでしょうか。
 現在、私たちが持っている知識は、こうした試行錯誤も含む歴史の積み重ねの上に成り立っているものです。その知識でさえ、来年には変わってしまうかも知れません。悪しからず、ご了承いただくべき性質だと考えて、簡単な補足を施させていただくものです。ぜひ、ご理解下さい。


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 (2009/10/19) Latest Update 2023/08/22 [90KB]

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