イワフネタチツボスミレかも知れないということですね。 確かに、幾つかの特徴を備えていると思います。
交雑種の場合、現地で周辺の両親と思われる個体群との「比較」が最重要です。 なにしろ、自生地によって少しずつ変異があるのですから、一般論が通じないことがあります。 ですから、撮影者が最適な判断者であるとNYANは思っています。
距の色は、判断のきっかけにはなるのでしょうが、距の白っぽいナガハシスミレはよく見かけます。 ただ、オオタチツボスミとの「浸透交雑」の経緯が伺えるのは事実でしょう。
タチツボスミレ類は近縁種と交雑して稔性を保つ性質が強めです。 ナガハシスミレとオオタチツボスミが交雑して生まれた個体群と、ナガハシスミレが再度交雑したら、その子孫は何と呼ぶべきでしょう?! 更に、そんなことが繰り返されたら・・・。
こうした遺伝子の混じりあいを「浸透交雑」と呼ぶそうです。 そんなことが長い期間(千年単位)繰り返されているとしたら、手に負えませんね。 日本海側のタチツボスミレ類のすみれたちには、その傾向があると思っています。 逆に、典型的な姿をした個体群を探したり・・・、冗談です。
開花時に巻き気味の葉に凹凸が見られ、先端に絞ったような尖りがあるようですので、葉にはオオタチツボスミレ由来の特徴がありますね。 一方、花は、距が白っぽいことを除けば、ほぼナガハシスミレの特徴が強いようです。 オオタチツボスミレの花は平面的に広がることが多いかな。
総じてイワフネタチツボスミレの特徴的ポイントは備えているようです。 現地でご覧になった印象を大事にして、判断されてはいかがでしょうか! |